【レビュー】Astrotec Delphinus5:元気で快活な押し出しの強い中高域が魅力。明るいロックやポップスを楽しく聴きたいならこれ

Pocket

免責事項

レビューは手持ちの機種と販売店舗さんのご厚意で試聴させていただいた範囲内の機種で作成しております。ケーブルは標準付属品のはずですが、セッティングは販売店舗さんにより異なる場合があります。イヤーピースは手持ちのものを使える場合は、それを用いてテストしております。レファレンスはJVC スパイラルドット++ Lサイズですが、機種によって使えない場合もあるかもしれません。使えない場合どうするかはその都度。

テスト機は基本的にAstell & Kern KANN CUBEを用いていますが、音質の特徴を捉えるために副次的にONKYO GRANBEATなど別のDAPも使っております。

一応解像度とかの比較用にイヤホンのレファレンスを定めていて、EarSonics ES5です。

スペック

  • ドライバー:バランスドアーマチュア型
  • ドライバー構成:5ドライバー
  • 周波数特性:8Hz – 40kHz
  • インピーダンス:16Ω
  • 感度:110dB

使用感

装着感

カスタムIEMに似せたデザインになっており、耳にしっかりと嵌まる。

遮音性

耳をしっかり覆うので、遮音性は高め。

ビルドクオリティ

金属筐体で頑丈。mmcxコネクタの噛み合わせも良い。

音質

総合:22/30
7.3/10

高域

7/10
7/10

中高域を目立たせるためにやや後退している

  • 質感:ニュートラル
  • 明るさ:明るめ
  • 拡張性:普通
  • 派手さ:普通
  • 緻密さ:普通

高域は明るいが、マイルドカーブを描いてすぐ減衰する。そのため、派手さを強調せず、むしろ中高域を引き立たせる調整になっている。

中域

8/10
8/10

派手でツヤがあり、力強く元気。パワフルで楽しい

  • 質感:ややウォーム
  • 明るさ:明るい
  • 横幅:普通
  • 奥行き:広め
  • ボーカル:前、押し出しが強い

中高域が派手で、ボーカルフォーカスが強い。音もパワフルで押し出しが強く、ガンガン攻めてくる。EDMやロック、ポップスで明るく元気な快活サウンドを出してくれ、没入感が高く非常に楽しい。

色味的にはどちらかといえば少しウォームで、力強い音の割に耳当たりも良い。

低域

7/10
7/10

中域を支える少し明るめの低域

  • 質感:ややウォーム
  • 明るさ:明るめ
  • 重心:普通
  • 重み:やや重い
  • 重低音:クリア

結構濃くはっきりと聞こえるので存在感はあるが、色味は明るめで、量感は一定程度にセーブされており、中域の広さを邪魔しないようによく調整されている。

重さは結構出してくれるが、その重さが音場を重苦しくしないよう配慮されていて、重心自体が下に下がる感じはない。

見通し感は悪くなく、比較的下の方に深く見通せる感じがある。

  • 【レビュー】SENNHEISER IE500 Pro:深く広がりを持つ重低音とディテールの緻密な中高域。ゼンハイザー渾身の正統派モニター

    SENNHEISERっぽいかっていうと意外と微妙っていう機種。本当にモニター的な音で正統派だから、とくにSHUREあたりの音が好きな人は装着感もクリソツなせいか引き寄せられやすいかも。とはいえ、差別化されているかっていうと「そうでもないかな」っていうところもあって、むしろSENNHEISERらしい豊かな中域表現がすっぽりなくなっている感じがSENNHEISERファンからすると微妙って印象になるかも。音に厚みはないよね。 結局SHUREやらWestoneやらに似せてくるのはいいんだけど、SHURE好きはSHURE買うだろうし、WeatoneファンもWestone買うんじゃないかな。まあWestoneはあまり欲しくないBluetoothケーブル付けて無駄に高く売ってるから、Westoneサイドから流れてくる人はいるかも知れない。 重低音にしっかりした広がりを感じられるあたりはSENNHEISERらしくていいけど、SENNHEISERサウンドを「豊かな音」って捉えている人は、「これはなんぞ?」ってなるかも。
  • 【レビュー】final B2:つややかで潤いのある音を楽しめるイヤホン

    finalとしてはB2にクラシック音楽向きなホールで聴いてるかのような音響を目指したという。個人的にはその割には音場がみずみずしすぎてクリア感も高すぎる印象受ける。同じ値段なら間違いなくJVC HA-FX1100の方がクラシック音楽のダイナミズムがより感じられるし、反響音も豊かだと思う。 むしろ個人的には高域楽器音のみずみずしさとほどよい明るさのバランスからボーカルに自然と潤い感が感じられて充実して聞こえる感じに好感を持った。独特のしっとり感がありつつ、発色もきれいな感じはこのイヤホンでなければなかなか味わえないだろう。ピアノをはじめ様々な楽器の弾き語り曲なんかを豊かに聴くのに素晴らしいパフォーマンスを発揮しそうである。 イコライザーで高域をいじると、突き抜け感も驚くほど素直に出るようになるので、ボーカルがみずみずしいまま伸びるようになり、シンバルの空気感も増し、意外とポテンシャルが高いところも楽しみがいがある機種。まだB1・B3を聴いてないので最終判断は避けるが、密かにかなり物欲が刺激された。

おすすめイヤホン

官能性

DAOKO 「終わらない世界で」

こういう、全体的にパンチの強さを味にしている曲はかなり得意。弾けるビシバシ感のある床面と、アグレッシブに上に伸びていく感じの弦楽やギターに妙味がある。ボーカルフォーカスもよく全体的に元気で押し出しが強い楽器音の中でも埋没感がない。

水瀬いのり&久保ユリカ 「More One Night」

アグレッシブなサウンドをそのまま聴かせてくれるので、こういうEDMポップスも相性が良い。ボーカルの明るい爽やかさとその周辺のチクチクツヤツヤしたあたりに焦点を合わせて聴かせてくれる。やや中高域で浮かび上がる感じが強いのが好みを分けるかも知れない。

Aimer 「眩いばかり」

この曲もかなり中高域が浮き上がるので、ボーカルが明瞭。低域はやや量感抑えめながら、パンチはしっかりしているのでリズム感は明確。ボーカル周りで若干シンセが派手めなのが人によってはわずかにきつく感じるかも。

安月名莉子 「Glow at the Velocity of Light」

中高域の奥行き感や煌めき感をしっかり出しながら、ボーカルフォーカス感も良く、華やかに押し出しを強く味わわせてくれる。低域もパンチが強くノリが良い。高域の高さは意外と抑制されているので、ちょっと中高域に音が集まりすぎている感じがあるのがやや好みを分けそう。透明感は強く、迫力もあるので楽しい。

勇者パーティー 「えんどろ~る!」

この曲でもボーカルとオーケストラサウンド、シンバルが集中するツヤツヤな部分に焦点を合わせている。低域にパンチも乗り、アタック感も良く、スピード感も良好なので、雄大なオケサウンドを出しながら展開力も高く、疾走感も充分。こういう華やか系アニソンは得意な印象を受ける。

下地紫野 & 悠木碧 「Harvest Moon Night」

もう少し落ち着いたJAZZ味の強いこの曲も結構楽しめる。やや押し出しが強く、音が元気な感じなので、落ち着きは足りない気がするが、サビ付近の華やかでテンポのよいあたりは疾走感を出してくれる。音が全体的に上向きなので、この曲の魅力の一つである深掘り感は少し弱い気がするが、透明で賑やかな楽しげなところを中心に味わいたい場合にはよい。

おすすめイヤーピース

この機種のノズルの太さは普通。比較的万能にイヤーピースを合わせやすい。

AZLA SednaEarFit

AZLA SednaEarfit

やや薄味気味の低域の存在感を向上させることができる。低域に比べると、中高域は相対的に少し後退し、落ち着く感じがある。

Acoustune AET08

acoustune AET08

低域がわずかに濃くなり、中高域の色味も少し太くなって落ち着く感じがある。少しギャンギャンしやすいところを落ち着かせるのに最適。

JVC SpiralDot++

JVC スパイラルドット++

比較的万能なこのイヤーピースだが、このイヤホンに関する限り、中高域のキラキラツヤツヤで押し出しの強い感じを素直に出しすぎる感じがあり、やや圧迫感を感じるかも知れない。

final E-CLEAR

final E-clear

元々ボーカルフォーカスの良いこのイヤホンをさらにボーカルに集中させてくれる。抜けも良くなって中高域の押し出し感の強い感じが抑制されるので、全体的なバランスは向上し、聞き心地が安定する。

ePro Horn-Shaped-Tips

ePro Horn-shaped Tips

音の剥き出し感が抑えられ、張りと広がりが強くなり、没入感が高まる。

radius DeepMount

radius deeo mount

低域の広がりがよくなり存在感も高まる。また中高域の派手な感じが整理されてボーカル周りにスリムにまとまるので、きれいな三角形の立体感を描くようになり、聞き心地は安定する。

【総評】元気で明るくポップス、ロック、アニソン、EDM、JAZZを楽しみたいならこれ。ボーカルフォーカスはよい。

ボーカルフォーカスが非常に優秀なイヤホンなので、ポップスやアニソンを充分満足させて聴かせてくれる。押し出しは強く、音場は上向きで、少し明るさを強く出すところがあるので、そのあたりの押しの強いキャラクターが好みを分けそうで、落ち着いて音楽を楽しみたい人には向かないが、元気いっぱい快活な感じが好きなら、文句なくオススメできる。

低域がやや薄くなりがちなのと高域で案外突き抜けないあたりも気になるが、イヤーピースでも十分改善可能だし、イコライザーでいじれば比較的簡単に調整できそう。元々わかりやすい調整がされていて素性も良いので、イコライジングもしやすく、自分好みの音に合わせやすいだろう。

Astrotec Delphinus5

7.3

高域

7.0/10

中域

8.0/10

低域

7.0/10

Pros

  • ビルドクオリティが高い
  • ボーカルフォーカスが良い
  • 艶やかで華やかな中高域
  • パンチがある
  • 元気で快活

Cons

  • うるさくなりやすい
  • 落ち着きがない