【レビュー】audio-technica ATH-CK2000ti:根立ちのよい太い幹のある音を鳴らすイヤホン

Pocket

免責事項

レビューは手持ちの機種と販売店舗さんのご厚意で試聴させていただいた範囲内の機種で作成しております。ケーブルは標準付属品のはずですが、セッティングは販売店舗さんにより異なる場合があります。イヤーピースは手持ちのものを使える場合は、それを用いてテストしております。レファレンスはJVC スパイラルドット++ Lサイズですが、機種によって使えない場合もあるかもしれません。使えない場合どうするかはその都度。

テスト機は基本的にAstell & Kern KANN CUBEを用いていますが、音質の特徴を捉えるために副次的にONKYO GRANBEATなど別のDAPも使っております。

一応解像度とかの比較用にイヤホンのレファレンスを定めていて、EarSonics ES5です。

 

スペック

  • ドライバー:ダイナミックドライバー
  • ドライバー構成:2ドライバー
  • 周波数特性:5Hz – 45kHz
  • インピーダンス:10Ω
  • 感度:102dB

使用感

装着感

直垂らしの装着感は悪くない。シュア掛けはできなくはないが、ケーブルが柔らかいので、ややゆるい付け心地になる。シュア掛けしたいなら、たぶんリケーブルした方が良い。

遮音性

遮音性はそこそこ高め。

ビルドクオリティ

ビルドクオリティは高く、A2DCコネクタの着脱もスムーズ。ハウジングの接合面もきれい。

音質

総合:24/30
8/10

高域

7/10
7/10

拡張性は高くなく、金属光沢をはっきり浮かび上がらせる、適度な暗さの高域

  • 質感:ややクール、硬質
  • 明るさ:暗め
  • 拡張性:普通
  • 派手さ:やや派手
  • 緻密さ:やや緻密

高域の抜けや空気感はあまり強調されず、中域の色味を濃く感じさせる味付け。弦楽もあまり高域を強調せず、つややかなあたりを一番聞かせるバランス。ボーカルはやや中域充実に聞こえやすい。中高域よりは高域が少し引っ込んで感じられるところがある。

中域

9/10
9/10

色味が濃く、太い音が充実する中域

  • 質感:ややウォーム、太め、輪郭はっきり
  • 明るさ:普通
  • 横幅:広め
  • 奥行き:広め
  • ボーカル:自然

中域では音は太めで濃く、輪郭もかなりはっきり出るので充実感が感じられるとともに、定位感や分離感もはっきりしている。人によってはもしかすると音がカチカチかたまっているように聞こえるくらい濃厚で、油絵のような濃度感がある。

低域

8/10
8/10

クリアで下まで見通せる低域

  • 質感:ややウォーム
  • 明るさ:暗め
  • 重心:低め
  • 重み:普通
  • 重低音:地熱感少しあり

100hz~40hzまでブーッという太い振動。30hzで沈み、20hzでほぼ無音。

低域ではあまり中低域を強調せず、深くまでクリアに聞こえる印象がある。幅は一様に聞こえ、中域をしたから少し広めに支えている。色味はウォームな方ではあるが、ニュートラルに近く、癖をあまり感じない。

  • 【レビュー】iBasso IT04:バランスが良く、とくに低域や高域の設計は意外と煮詰めて作られていて、万能に聴ける印象。埋もれがちな機種だが、隠れた名機だ。

    日本ではDAPばかり評価されている感じのiBassoだが、実は密かに海外レビューで評価が高いのがこのIT04。各種レビューで「Great Sound!」と連呼されているので、「どんなもんかな」と興味を持ったけど、たしかにいろいろバランス良く、万能に音楽を楽しめる感じでフラッグシップとしてかなり成熟している印象を受けた。 どぎついところや変に不自然な演出感がなく、透明感や清潔感が大事にされていて、音場は広く、奥行きもあってリアリティがよく追究されている。日本ではほとんど無名に近く、埋もれた感じの機種になってしまっているが、これを埋もれさせるのは若干もったいない気がして、レビューした。 幸いなことにこのレビューを書いている2019年7月現在は価格も安定しており、手を出しやすい位置にいる。
  • 【レビュー】qdc 3SH:厚みのある中低域と幻想的なほどに清潔に伸びる高域のバランスが素晴らしい

    記事内でもすでに説明したが、このイヤホンは組み合わせるDAPによってかなり低域の印象が異なる場合がある。ふわっと幻想的に浮き上がってから抜けるような高域はおそらくどのDAPでもそれほど変化なく味わえると思うが、とくにR&Bやクラシック、JAZZなど中低域に空気感が欲しい場合は、プレーヤーの吟味が必要かもしれない。そういう意味で「相手を選ぶ」機種ではある。 qdcはドライバーを独自設計で特注しているだけあって、「qdcらしさ」という確かな哲学を感じられる音がある。音楽を聴くときにとっかかりになるような強い手がかりをそれほど強調しないにも関わらず、音に確かな伸びと空気感のあるディテールが感じられて、さわやかなのに味がしっかりある。とくにこの3SHは私が聴いてきた中では、濃厚感とスッキリ感のバランスをうまく調整している機種の一つに思え、個人的に高く評価している。おすすめ。 ただし記事内でも述べたが、低域は若干ゆったりしているので、スピード感のあるダンス曲とかだと場合によって緩く感じられることもあるだろう。

おすすめイヤホン

官能性

小田和正 「そのままの君が好き」

中域を濃く、輪郭よくはっきり聞かせるので充実感がある。音の根立ちがしっかりしており、ドラムやギター音に太く自然な立ち上がりを感じる。ボーカルは充分に暖かく太く、豊か。

秦基博 「水彩の月」

中域に充実感あり。ピアノの音に深みと厚みがあり、輪郭も明確ではっきり聞こえる。高域は穏やかに閉じられているので、中高域よりしたくらいに濃厚感が滞留する感じがあり、ボリューム感もある。

majiko 「狂おしいほど僕には美しい」

中域に充分音が集まり、充実している。かなり音が太めで密度感があるので、篭もる感じが出るかなと思ったが、音の解像感はよく、音がマスキングされる感じはない。根立ちが良く太く林立する感じがある。

TVアニメ「坂道のアポロン」 「Moanin'」

中域に濃厚感があり、音の根立ちもよいのでJAZZ向きの重厚感を感じる。シンバルの濃く、粒立ちも良い音はかなり精彩がある。金管は高く抜けないで、中域で濃厚な味わいを出す。音が太く輪郭もよく鮮やか。コントラバスやドラムの存在感も強すぎず、中域の厚みをしっかりと味わわせつつ、少し広めに音場を支えて豊か。

ヨルシカ 「靴の花火」

中域に充実感があり、音が太いので、迫力がある。音圧も少し強めで密度と濃厚感、音の厚みと重みがはっきり感じられる。ボーカルのやや暗く中域で充実する感じが、この曲にぴったりな気がする。ちょっと鬱屈した雰囲気が思う存分味わえる。濃いギターと厚いドラムがその鬱屈感を濃密にする。

奥華子 「恋つぼみ」

豊か。ピアノ音と管楽に厚みと濃度があり、輪郭も太くはっきりしており、充実している。ボーカルも中域で厚みを出して、豊穣。中高域の上の方では少し明るく、ふっくらとした甘味がきれいにたゆたう。

おすすめイヤーピース

この機種のノズルの太さは普通。比較的万能にイヤーピースを合わせやすい。

AZLA SednaEarFit

AZLA SednaEarfit

高域の抜けがわずかによくなり、低域も濃さを増してコントラスト感よく聞こえる。音の広がりも少し増して感じられる。

acoutune AET08

acoustune AET08

低域の厚みが出て、音場全体が少しマイルドで濃厚な感じになる。

JVC SpiralDot++

JVC スパイラルドット++

音場に広がりが感じられ、音の濃淡が丁寧に感じられるようになる。

final E-CLEAR

final E-clear

中高域以上に開放感が出て、ボーカルの抜けがよくなり、前面に出てくる。ピアノも少し明るくなる。

Symbio Eartips

Symbio Eartips

低域と中域の厚みが増して聞こえる。

SONY TripleComfort

トリプルコンフォート

中高域から高域にかけてすっきり明るめに音が抜けるようになる。

【総評】太く充実した根立ちの良い音を奏でる豊かな中域が魅力

中域の濃い太い音に魅力が感じられる。濃厚で充実感のある太い音がしっかりと音楽を奏で、輪郭も良い。その中域を支える低域も、ゆったりとした広さを持っており、豊か。とにかく音の厚く、くっきりした根立ちのよいところが味わい深い。JAZZやロック、ポップスをぶっとい感じで聴きたい人にはかなり有力候補だろう。男声ボーカルも女声ボーカルも濃厚。

audio-technica ATH-CK2000ti

8

高域

7.0/10

中域

9.0/10

低域

8.0/10

Pros

  • ビルドクオリティが高い
  • 中域に充実感があり、音は太く輪郭も濃い
  • 低域は広く豊かに中域を支える

Cons

  • A2DCコネクタ
  • 高域はやや暗い

Leave a Comment

CAPTCHA