【レビュー】beyerdynamic XELENTO REMOTE:雄大で温かみがありながら、音場全ての音がクリアに聞こえてくる万能系イヤホン

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免責事項

レビューは手持ちの機種と販売店舗さんのご厚意で試聴させていただいた範囲内の機種で作成しております。ケーブルは標準付属品のはずですが、セッティングは販売店舗さんにより異なる場合があります。イヤーピースは手持ちのものを使える場合は、それを用いてテストしております。レファレンスはJVC スパイラルドット++ Lサイズですが、機種によって使えない場合もあるかもしれません。使えない場合どうするかはその都度。

テスト機は基本的にAstell & Kern KANN CUBEを用いていますが、音質の特徴を捉えるために副次的にONKYO GRANBEATなど別のDAPも使っております。

一応解像度とかの比較用にイヤホンのレファレンスを定めていて、EarSonics ES5です。

 

スペック

  • ドライバー:ダイナミック
  • ドライバー構成:1ドライバー
  • 周波数特性:8Hz – 48,000Hz
  • インピーダンス:16Ω
  • 感度:110dB (1mW/500Hz)

使用感

装着感

薄く、小型で耳へ違和感なく収まる。装着感は良好。

遮音性

遮音性もそこそこ良く、音楽をかけると周囲の音はほとんど聞こえない。

ビルドクオリティ

なめらかな質感で、手触りに温かみがあり、高級感がある。

音質

総合:27/30
9/10

高域

8/10
8/10

高域でも一定の太さがあり、充実している

  • 質感:ニュートラルかややウォーム
  • 明るさ:普通か明るめ
  • 拡張性:良い
  • 派手さ:やや派手
  • 緻密さ:やや緻密

音に太さとなめらかさがあり、高域でも豊かな色合いが感じられる。シンバルやギターの色味も明るく太く、きれいに艶やかに聞こえる。ギターのカッティングも活き活きと浮き上がる。金属的な音の手がかりもあり、尖った感じもよく出るので、強めのシンバル表現にはスパイシーさも出る。

中域

9/10
9/10

密度感があり、豊かだが、同時にクリアに音像を聴かせるバランス感覚の良い中域

  • 質感:ややウォーム、密度感あり
  • 明るさ:明るめ
  • 横幅:やや広め
  • 奥行き:広い
  • ボーカル:少し前、太い、豊か

中域も豊かに一定の太さを持って聞こえる。ボーカルはやや前面に出て、分離が良く歌詞は明瞭だが、楽器の厚みに包まれていて、適度な距離感を維持しており、混濁しないが孤独でもない。音は濃く、少し明るい色合いだが、音場は広く、音の定位に絡まる感じがない。音が太く感じられるので密度感は高い。

低域

10/10
10/10

低域の熱量は充分。それでいて、重低音までクリア

  • 質感:ウォーム
  • 明るさ:明るめ
  • 重心:低い
  • 重み:多め
  • 重低音:地熱あり

100hz~30hzまで図太く濃い振動。20hzでもわずかに振動感が残る。低いところまで深掘りが丁寧に出る。最も深いところにも音が鳴っている感じがあり、地熱感がある。低域には膨張感と深み、地熱をそれぞれ明確に感じさせる確かなディテールがあり、非常に質が高く思える。

  • 【レビュー】Acoustune HS1650CU:透明感のあるつややかみずみずしいサウンドが魅力。JAZZ好きに捧ぐ。

    この機種はTwitterでアユートの営業さんのツイートを目にし、興味を持った機種。ちょうど同じ頃にCayin YB04を聴いており、そちらもJAZZが楽しく、しかもこのイヤホンと価格帯がもろかぶりする。そして海外のレビューを渉猟してみると評判も悪くない感じで、聴きたくなったというわけ。 あくまで個人的な好みで言えば、Cayin YB04のほうにより豊かでダイナミックな音響を感じるので、最終的にどちらが好みかと言えばYB04となるが、こちらもこちらでその透明感のある音は素晴らしく、Acoustune恐るべしと思わせるに十分な魅力がある。少なくとも解像度という面において、見通しが良く、高域の手がかりも多いこちらのほうが感触的には解像度を分かりやすく感じさせてくれるので、解像度重視ならおすすめ。
  • 【レビュー】HIDIZS MS4:厚みのある自然な音が低域から高域まで豊かに響いてくる良質サウンド

    海外レビューなんかを読んだけど、結構評価分かれてる機種。まず低域は温かみがあって、結構深くまで出ているけど、地熱感があるのでクリア感はそれほどでもない。このあたりを肯定的に評価する場合は優れたベースサウンドという評価になるけど、否定的に評価する場合は深いところで濁っているという判断になる。これは好みの問題だけど、個人的には重低域に関して、ロックやJAZZを聴く関係上、地熱感を結構重視しているのでこの低域の評価に関しては私は肯定的に捉える派。 次に高域の少しつややかさを厚く表現するような、まろやかな質感に関してもボーカルディテールに照らし合わせて、聞き心地がよいという判断と、繊細さに欠けるという評価で分かれる。 で、ゆったりした低域に支えられた豊かな音場と音の厚みが良く、個々の音に明瞭感があるという点だけは基本的に評価が揺るがない。音場は基本的には厚みのある音で充実した感じであり、ウォームでマイルドな印象を受けるという点も異論は無いだろう。 そういうわけで、どちらかというとアコースティックなサウンドに強い印象を受けるが、一方で低域に適度なスピード感もあり、デジタル音を多用するダンスサウンドを聴いてみても、私は意外と満足して聴ける印象がある。たしかに中域から低域に少しふくよかな感じがあるので、密度高めかなとは思うけど、一方で見通しの良いクリアな感じもあるので、音の粒立ちは悪くなく、なんだかんだ言って万能に聴ける印象があり、聞き心地と聴き応えのバランスは良い感じでこの機種は好評価。

おすすめイヤホン

官能性

falcom Sound Team JDK 「Sophisticated Fight」(We Love 空の軌跡版)

管楽の色づきが良く、息吹きと音色の艶やかさが存分に感じれられ、濃厚感がある。中低域にも豊かさがあり、音場にボリューム感を与えているが、膨らみすぎて中域に滲み出すことなく、混濁感がない。重低音の利きもよく、深くで重みと地熱感を感じられる。音味はウォームで耳にキツいところはなく、長時間聴いても疲れない。ドラムの響きがまるで馬蹄の轟きのように力強く聞こえる。

放課後ティータイム 「Don't say "lazy"」

この曲のスピード感は充分出せる。ウォームで暖かいながらも弾力と反発力のある、快活ながらも重みもある躍動的なドラムと、スパイシーにしぶきを上げるシンバルが高精細に聞こえてくる。ボーカルの分離も良く、スプラッシュ感に溢れて激しい中高域の中でも明快に太く、甘味も感じさせながら力強く聞こえてくる。レベルが高い。

高橋李依 「気まぐれロマンティック」

低域ベースが豊かに暖かく、音場を深くから広く支える。ドラムとの分離も明瞭で、低域にもクリア感があり、見通しが良い印象を受ける。そうでありながら、音場はうららかな温度感に包まれていて、決して清潔すぎる感じはなく、心地よい「ぬるさ」がこの曲の甘い感じをよく伝えてくれる。

水瀬いのり & 久保ユリカ 「動く、動く」

ダンスを聴くには若干高域のクールさというか、明るさや緻密さがもう少し足りない気もするが、全体として見ると全然OKな印象を受ける。

厚みがある音だが、テスラの力なのか鈍重ではなく、スピード感があるので、リズムはノリノリ。ボーカルもふっくら感があって甘味をのせつつ、つややかに聞こえてくる。音場全体には一定の密度感があってパワフルだし、低域のディテールが良くて、デジタルベースのギュイギュイ締まる音もきれいに感じられて楽しい。

Sixpence None The Richer 「Field of Flowers」

音に厚みがあり、濃厚。ボーカルにも甘味と太さがありながら、すぐ近くに来やすいアコースティックギターと混濁することなく、クリアに分離して聞こえる。そのアコースティックギターに目を転ずれば、明るさをそれほど強調せず、柔らかく刻んで温かみを出している音で、耳を優しくくすぐるようで非常に気持ちいい。

山本剛トリオ 「二人でお茶を」

JAZZもかなり聴かせてくれる。シンバルの空気感や、コントラバスの深掘り感と弦の震え、ピアノの色づきが適度なクリア感と温度感を持って聞こえてくる。ピアノはキラキラと光沢感を出しつつ、すぐに豊かに膨らんで艶やかに色づき、少し深めに音が沈んでいく。その音色に透明感が感じられるのだが、音場はあくまで温かみがあって空気感に満ちており、豊かな雰囲気がある。タムの鼓面もパチパチと弾けつつ、タッタッと音が走って行く広がりが感じられるので、疾走感も充分。シンバルも詰まりと開放音のバランスが良く、メリハリがあって、シャーンと広がる音に確かな空気感を感じられる。

おすすめイヤーピース

この機種のノズルは楕円形をしているので、口径の小さいイヤーピースは装着しづらいかもしれない。

AZLA SednaEarFit

AZLA SednaEarfit

コントラスト感が増して聞こえる。高域の張りと発色、低域のドンが明瞭になる。

Acoutune AET08

acoustune AET08

高域がマイルドに、中域が少し濃厚に、低域は厚さを増して聞こえるようになる。

JVC SpiralDot++

JVC スパイラルドット++

全体的によく整理されて聞こえてくる。空気感が上々。

final E-CLEAR

final E-clear

ボーカルの聞こえが良くなる。中高域がスッキリし、さわやかな感じに聞こえる。低域は少し薄味になる。

final E-Black

final E-black

重低音の聞こえが良くなるが、やや地熱感が強く、中域以上が低域に少し包まれるような印象を受ける。ウォームさは増す。

radius DeepMount

radius deeo mount

中低域がややスリムになり、重低域の深掘り感が少し目立つようになる。ボーカルもやや前面に出てくるようになり、高域も伸びやかになるが、音場は全体的に縦長方向に締まる。

【総評】パワフルさとスピード感、適度な温度感を兼ね備えた万能系イヤホン

一言で言えば、beyerdynamic恐るべしとしか言いようのないレベルの高いイヤホン。適度な温かみのある音色は聞き疲れせずに浸ってられるし、暖かいからと言って音像にぼやける感じはなく、スピード感もかなり出るので激しい曲でももたつかない。重低音も深く地の底から聞こえてくるような地熱を持っていて、情報量が多い。

強いて言えば低域にピントが合いやすい印象を受けるが、比較的全音域にディテールが分散されていて、どこかの音域が露骨に目立つということはない。密度感も満遍なく、明るさも見通しが良い程度には明るいが、キラキラと強調する感じもなく、自然な温もり感を維持している。音を雄大に丁寧に聴かせる感じ、ドイツだわ~。手持ちのSENNHEISER HD599も音の雄大な感じ、似ているな~って聞き惚れました。

好きです、この音。

beyerdynamic XELENTO REMOTE

9

高域

8.0/10

中域

9.0/10

低域

10.0/10

Pros

  • ビルドクオリティが高い
  • 良好な装着感
  • 雄大な音色
  • 温かみがありながらクリアな温室
  • 低域の深掘り感とディテール

Cons

  • 場合によって高域が若干暗い
  • 緻密やメリハリを強調する音ではない

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