【レビュー】final B2:つややかで潤いのある音を楽しめるイヤホン

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免責事項

レビューは手持ちの機種と販売店舗さんのご厚意で試聴させていただいた範囲内の機種で作成しております。ケーブルは標準付属品のはずですが、セッティングは販売店舗さんにより異なる場合があります。イヤーピースは手持ちのものを使える場合は、それを用いてテストしております。レファレンスはJVC スパイラルドット++ Lサイズですが、機種によって使えない場合もあるかもしれません。使えない場合どうするかはその都度。

テスト機は基本的にAstell & Kern KANN CUBEを用いていますが、音質の特徴を捉えるために副次的にONKYO GRANBEATなど別のDAPも使っております。

一応解像度とかの比較用にイヤホンのレファレンスを定めていて、EarSonics ES5です。

 

スペック

  • ドライバー:バランスドアーマチュア
  • ドライバー構成:1ドライバー
  • 周波数特性:不明
  • インピーダンス:41Ω
  • 感度:109dB

使用感

装着感

装着感は良好。ステンレスなので若干重い感じを受ける。

遮音性

遮音性はそこそこ高い。

ビルドクオリティ

ビルドクオリティは高め。

音質

総合:21/30
7/10

高域

6/10
6/10

落ち着いた高域。深淵を感じる

  • 質感:ややウォーム
  • 明るさ:暗い
  • 拡張性:普通
  • 派手さ:やや地味
  • 緻密さ:普通

高域は暗めで落ち着いている印象。これはおそらくボーカルの質感をよりわかりやすくするために、わざとマイルドにし、個性が出すぎないようにされている可能性が高い。高域拡張性は高く感じられず、明らかに抜けが良い音ではない。イコライザーで高域をいじると充分な拡張性が感じられたので、finalによる意図的なチューニングを感じる。ぶっちゃけ最初は「随分渋いな、おい」と思ったけど、いろいろ曲を聴いてみて、ボーカルやピアノ、金管などが最もみずみずしく聞こえるようわざと高域方向の広がりを抑えているのだと理解した。JAZZやバラードの落ち着いた曲にちょうどよいくらいの明るさ。

どういう音をのびやかというかは難しいところがあるが、少なくとも上方向に突き抜けるのびやかさはないので、かまぼこ気味の音に感じる人もいるかも知れない。

中域

8/10
8/10

女声ボーカルの潤い感が素晴らしい

  • 質感:ややウォーム、つややか
  • 明るさ:普通
  • 横幅:広い
  • 奥行き:広い
  • ボーカル:やや前、自然、みずみずしい

このイヤホンの中域のみずみずしい感じに説得力を感じる。高域のつややかな部分を受け止めて、潤いのある感じが中域全体に澄み渡るように存在しており、高域の突き抜けがない分、その湿潤感も滞留して感じられる。森林浴をしているかのような、湿気を帯びた見通し感がある。

低域

7/10
7/10

クリア感のある見通しの良い低域

  • 質感:ややウォーム
  • 明るさ:明るめ
  • 重心:普通
  • 重み:少し重い
  • 重低音:クリア

重低音までクリアに聞こえる低域を持っている。量感的には中域に一定の充実感を与えるほどには支えている。

個人的にはあまり個性を感じない低域で、輪郭やスピード感もほどほどにあり、重みも少し重心を感じさせるほどにはあるが、主張は少なく、中域の味わいを邪魔しないよう配慮されているように聞こえる。

  • 【レビュー】final B2:つややかで潤いのある音を楽しめるイヤホン

    finalとしてはB2にクラシック音楽向きなホールで聴いてるかのような音響を目指したという。個人的にはその割には音場がみずみずしすぎてクリア感も高すぎる印象受ける。同じ値段なら間違いなくJVC HA-FX1100の方がクラシック音楽のダイナミズムがより感じられるし、反響音も豊かだと思う。 むしろ個人的には高域楽器音のみずみずしさとほどよい明るさのバランスからボーカルに自然と潤い感が感じられて充実して聞こえる感じに好感を持った。独特のしっとり感がありつつ、発色もきれいな感じはこのイヤホンでなければなかなか味わえないだろう。ピアノをはじめ様々な楽器の弾き語り曲なんかを豊かに聴くのに素晴らしいパフォーマンスを発揮しそうである。 イコライザーで高域をいじると、突き抜け感も驚くほど素直に出るようになるので、ボーカルがみずみずしいまま伸びるようになり、シンバルの空気感も増し、意外とポテンシャルが高いところも楽しみがいがある機種。まだB1・B3を聴いてないので最終判断は避けるが、密かにかなり物欲が刺激された。
  • 【レビュー】UniqueMelody MACBETHⅡ Classic:明瞭感のある中高域のディテールを重視したサウンド。清潔で歪みのない空気感に満ちた音を持つ

    インピーダンス値が高めなせいか、清潔感と緻密感のある、かなり歪みのない解像度感バリバリって感じの音を聴かせてくれます。音に細い感じはありつつも、空気感が豊かなので、表現に貧弱さはありません。中高域あたりで手がかりを若干強調しすぎる感じが派手な音作りにつながっているので、キザったらしい感じはありますけど、シャリシャリ感だけじゃなく、その上のシャーンとする空気感もより広がりを持って聞こえるので、軽薄さはありません。 ただ長時間聴くにはきついかな~って思うところもあって、低域にあまり膨張感がないのも落ち着かないと感じる人はいるかも知れません。 ロックやダンスは特に明るく楽しく緻密にきれいに聴かせてくれ、風味も多分に感じられ、レベルが高い印象を受けます。

おすすめイヤホン

官能性

多田葵 「Brave Song」

最初の印象はぶっちゃけ「何じゃこりゃ。たしかにB2微妙だわ」と思ってたが、この曲を聴いた途端にこのイヤホンに込められたfinalの意図を理解した。

ボーカルの優しい温度感、なめらかで息感を強調しないのに、息遣いの感じられるような透き通ったみずみずしいディテール感。そのボーカルの周りを豊かに包み込む楽器音の充実感が見事としか言いようがない。ピアノや弦楽に潤い感があり、明るさはそれほど強くないが、芽吹くように新鮮な音色で充分に活き活きしている。すごくつややかで生命的な音楽がここにある。

Aimer 「眠りの森」

ツヤツヤした音楽というと、すぐに思いついたのがこの曲。おお、おお!やばいやないけ!Aimerのボーカルが信じられないほど湿っぽく、潤い感があってつややかで本格的。聴いた途端鳥肌が立った。なるほどね、高域の上のほうは敢えて捨てた調整の意味、理解したわ。

この曲をレファレンスのEarSonic ES5で聞き直してみたけど、なるほどES5もレベルが高いけど、B2を聴いた後だと息感は少し強調しすぎって思うくらいにB2の潤いの説得力を感じた。

高田梢枝 「秘密基地」

秘密基地

この曲でも弦楽とピアノのつややかなあたりが強調されて、みずみずしい透明感が感じられる。この曲だとむしろそこらへんが一番明るいくらいなので、明るめに聞こえる。ドラムも適度な膨張感と厚み、重みがあり、スピード感も適切で、なるほどfinal、高域の調整で一点突破しているように見えて、実際は脇役の音作りも妥協なしかい、と感心させられた。

沢井美空 「なきむし。」

なきむし。

ベタだけど、こういう湿っぽい曲はすごく聴き応えがある。finalらしい風味の出し方がうまい感じがあって、音が全体的にみずみずしく彩りも豊かで、清涼感というよりは納涼感というべき鮮やかさがある。この曲を聴くなら、価格帯では一番くらいに考えてよさそう。

瀬名 「TSUBASA」

もはやモロバレしてそうだけど、この曲もこれまでと同じような理由で選曲。ボーカルの湿っぽい感じがこのイヤホンの特性と実に良くマッチしている。弦楽とピアノのみずみずしさも秀逸で、情緒感増し増しで聴ける。

鹿乃 「ハロ/ハワユ」

この曲もすごくよかった。やっぱfinalパネェっすね。音のみずみずしい感じがツヤツヤ鮮やかに聞こえてきて、ボーカルの湿っぽい感じもよく出ていてすごく沁み入ってくる。うーん。これはいいね。

おすすめイヤーピース

この機種のノズルの太さは普通。イヤーピースは比較的万能に合わせやすい。

AZLA SednaEarFit

AZLA SednaEarfit

音が濃くなり、低域に黒みが感じられてコントラスト感が増す。

radius DeepMount

radius deeo mount

音場にスリム感が出て、ややポップス向きな調整が加わる感じがある

JVC SpiralDot++

JVC スパイラルドット++

おすすめ。全体的に分離感良く空気感も良く味わえる。

final E-CLEAR

final E-clear

高域のつややかさをより明るく聴かせてくれる感じがあるので、そこを集中的に味わいたいならこれで。ボーカルも良く聞こえる。

final E-Violet

final E Violet

中高域の艶やかさとまろやかさをバランス良く味わうならこちらで。

Acoutune AET07

acoutune AET07

ややキラキラ感が増し、ギラギラした感じも出るようになる。

【総評】賛否両論ある高域は一聴すると地味なところがあるが、湿っぽい曲にはすごくいい案配

finalとしてはB2にクラシック音楽向きなホールで聴いてるかのような音響を目指したという。個人的にはその割には音場がみずみずしすぎてクリア感も高すぎる印象受ける。同じ値段なら間違いなくJVC HA-FX1100の方がクラシック音楽のダイナミズムがより感じられるし、反響音も豊かだと思う。

むしろ個人的には高域楽器音のみずみずしさとほどよい明るさのバランスからボーカルに自然と潤い感が感じられて充実して聞こえる感じに好感を持った。独特のしっとり感がありつつ、発色もきれいな感じはこのイヤホンでなければなかなか味わえないだろう。ピアノをはじめ様々な楽器の弾き語り曲なんかを豊かに聴くのに素晴らしいパフォーマンスを発揮しそうである。

イコライザーで高域をいじると、突き抜け感も驚くほど素直に出るようになるので、ボーカルがみずみずしいまま伸びるようになり、シンバルの空気感も増し、意外とポテンシャルが高いところも楽しみがいがある機種。まだB1・B3を聴いてないので最終判断は避けるが、密かにかなり物欲が刺激された。

final B2

7

高域

6.0/10

中域

8.0/10

低域

7.0/10

Pros

  • ビルドクオリティが高い
  • 潤いのある音
  • みずみずしい女声ボーカル
  • 広い音場表現

Cons

  • 高域に天井感がある
  • 広がりに欠け、暗めの高域
  • 場合によって湿りすぎているボーカル

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