【レビュー】HIDIZS MS4:厚みのある自然な音が低域から高域まで豊かに響いてくる良質サウンド

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免責事項

レビューは手持ちの機種と販売店舗さんのご厚意で試聴させていただいた範囲内の機種で作成しております。ケーブルは標準付属品のはずですが、セッティングは販売店舗さんにより異なる場合があります。イヤーピースは手持ちのものを使える場合は、それを用いてテストしております。レファレンスはJVC スパイラルドット++ Lサイズですが、機種によって使えない場合もあるかもしれません。使えない場合どうするかはその都度。

テスト機は基本的にAstell & Kern KANN CUBEを用いていますが、音質の特徴を捉えるために副次的にONKYO GRANBEATなど別のDAPも使っております。

一応解像度とかの比較用にイヤホンのレファレンスを定めていて、EarSonics ES5です。

 

スペック

  • ドライバー:ハイブリッド
  • ドライバー構成:3ドライバー(ダイナミックドライバー×1, バランスドアーマチュアドライバー×2)
  • 周波数特性:15Hz – 40kHz
  • インピーダンス:12Ω
  • 感度:112dB

使用感

装着感

カスタムIEMに似せたデザインになっており、耳にしっかりと嵌まる。

遮音性

耳をしっかり覆うので、遮音性はそこそこ高め。

ビルドクオリティ

ビルドクオリティは高い。ノズルやコネクタの接合面もきれい。

音質

総合:24/30
8/10

高域

7/10
7/10

まろやかで自然な太さのある高域

  • 質感:ややウォーム
  • 明るさ:明るめ
  • 拡張性:かなり良い
  • 派手さ:やや派手
  • 緻密さ:やや緻密

音は艶やかさを一番強調している感じで、キラキラ感はほどよく抑えられている。そのため、クラシックやJAZZでもヴァイオリンに落ち着いたまろやかな風味があり、自然な根立がある。それでいて上には良く伸び、透明感のある音色で抜けていく。高域は聞き心地の安定感を重視している印象を受ける。

中域

8/10
8/10

厚みがあり、充実した中域

  • 質感:ややウォーム
  • 明るさ:明るめ
  • 横幅:やや広い
  • 奥行き:広い
  • ボーカル:前、自然な温かみ、なめらか

中域では音が自然な太さを持って聞こえてくる。クリアで透明感があるが、適度なまろやかさがあって、清潔感を強調しすぎないので、アコースティックサウンドに自然な風味がある。

 音場はレファレンスのEarSonics ES5よりは左右が近い。

低域

9/10
9/10

豊かに広がり、音場を支える

  • 質感:ウォーム
  • 明るさ:普通
  • 重心:やや低い
  • 重み:重い
  • 重低音:やや広く、地熱感あり

色味的には適度な温度感があり、暖かに音楽を下支えする。一方で適度に膨らむものの、充分なスピード感を持っており、ダンスサウンドでも充分に追随し、キレのある床面を提供する。

中低域は適度に膨張し、柔らかみも感じるが、さらに深い重低音が広く感じられ、地熱を感じさせるので、熱量は高めに感じる。

振動は100hz~30hzまで厚くブーンと手応えのある音。20hzでも振動感が残る。

  • 【レビュー】final B2:つややかで潤いのある音を楽しめるイヤホン

    finalとしてはB2にクラシック音楽向きなホールで聴いてるかのような音響を目指したという。個人的にはその割には音場がみずみずしすぎてクリア感も高すぎる印象受ける。同じ値段なら間違いなくJVC HA-FX1100の方がクラシック音楽のダイナミズムがより感じられるし、反響音も豊かだと思う。 むしろ個人的には高域楽器音のみずみずしさとほどよい明るさのバランスからボーカルに自然と潤い感が感じられて充実して聞こえる感じに好感を持った。独特のしっとり感がありつつ、発色もきれいな感じはこのイヤホンでなければなかなか味わえないだろう。ピアノをはじめ様々な楽器の弾き語り曲なんかを豊かに聴くのに素晴らしいパフォーマンスを発揮しそうである。 イコライザーで高域をいじると、突き抜け感も驚くほど素直に出るようになるので、ボーカルがみずみずしいまま伸びるようになり、シンバルの空気感も増し、意外とポテンシャルが高いところも楽しみがいがある機種。まだB1・B3を聴いてないので最終判断は避けるが、密かにかなり物欲が刺激された。
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    インピーダンス値が高めなせいか、清潔感と緻密感のある、かなり歪みのない解像度感バリバリって感じの音を聴かせてくれます。音に細い感じはありつつも、空気感が豊かなので、表現に貧弱さはありません。中高域あたりで手がかりを若干強調しすぎる感じが派手な音作りにつながっているので、キザったらしい感じはありますけど、シャリシャリ感だけじゃなく、その上のシャーンとする空気感もより広がりを持って聞こえるので、軽薄さはありません。 ただ長時間聴くにはきついかな~って思うところもあって、低域にあまり膨張感がないのも落ち着かないと感じる人はいるかも知れません。 ロックやダンスは特に明るく楽しく緻密にきれいに聴かせてくれ、風味も多分に感じられ、レベルが高い印象を受けます。

おすすめイヤホン

官能性

大隅寿男 「キャラバン」

JAZZも充分楽しめる。レファレンスのEarSonics ES5に比べると、低域の熱気が強く、音に厚みがあって、ピアノや金管に渋みがあり、より音の一体感とムード感を重視して聴かせてくれる。

全体的に音に自然な厚みがあり、重くなりすぎないが充分な重厚感がある。色味は明るめで見通しが良い。

majiko 「春、恋桜。」

ドラムに適度な熱量感と膨張感、スピード感がある。そのおかげで、音場に適度な手応えと音圧とボリュームが感じられて、迫力とメリハリが利いている。かなり精彩の強い低域の割に中域に滲み出す感じはなく、中域に濁る感じはなくて、むしろ低域と親和的な厚みのある音で充実して聴かせてくれる。

ボーカルに自然な厚みがあって、甘味をたっぷり味わわせてくれつつ、太さを持ったまま上に自然に持ち上がるので、自然な突き抜けも感じられる。

petit milady 「azurite」

この曲を普段聞いているバランスに比べると、やや低域の熱量と厚みが強調され、音場に少し沸騰した感じがある。

この曲は低域の充実感と高域の清涼感で綱引きするようなところがあるが、その括りで考えると、このイヤホンは低域寄りな印象。ドラムのドンが特に重たく感じられる。

一方で、音の密度感が高めにも関わらず、ボーカルは手前にしっかり分離し、上では充分な明るさと突き抜け感もある。

イメージ的には地に足をつけて、下から、高空に突き上がっていく音楽を見上げるような感覚。

FENCE OF DEFENSE 「SARA」

色味が濃いめで奥行きがしっかり感じられる。ギターのエッジも明瞭で、シンセも太い光沢感のある感じで充実感がある。ボーカルは太く、上では明るく伸びる。全体的にくっきりはっきりしつつ、冷たい感じはなく、適度な厚みがあるせいか、聞き心地の良いまろやかな感じがある。

ClariS × GARNiDELiA 「clever」

この曲を楽しむのに充分なスピード感と適度な緻密感、厚みのある中域と低域があるので、組み立てが良い印象。かなり音に厚みが出ることを予想し、窮屈な感じになるかと思ったけど、低域の迫力と重厚さを生かしつつ、やや厚みを強調する方向で緻密な音を整理していて、曲の全体像の見通しは悪くない感じ。

なんだかんだいって、聴き応えがあった。

AXiS 「COCYTUS」

ダンスサウンドに追随できるだけのスピード感は確認済みだし、この曲を楽しめるほどの低域の厚みと深み、重みは予想できたので、聴いてみたが、なるほど満足感は高い。この曲は低域に密度感とスピード感が出ないと迫力に欠ける感じがあるが、このイヤホンの低域は充分にパワフル。

おすすめイヤーピース

この機種のノズルの太さは標準的で比較的万能に合わせやすい。

AZLA SednaEarFit

AZLA SednaEarfit

低域がクリアに感じられる。

AZLA SednaEarFit Light

音がスッキリしてやや全体像が柔らかくなる印象。

JVC SpiralDot++

JVC スパイラルドット++

音場の広さと充実感、空気感が増す。音が細かく粒立ちする印象を受けるが、音の膨らみや広がりが強めに感じられる印象があるので、やや渾然とした感じもある。

final E-CLEAR

final E-clear

中高域がすっきりし、光沢感も増して少しくっきりして聞こえる。ボーカルの分離も改善される。

FAudio FA VOCAL

FA Vocal

低域がやや深く感じ、音場に高低感が出る。

radius DeepMount

radius deeo mount

FA VOCALをもうちょっと上に引き延ばした感じ。立体感が強調される。

【総評】アコースティックな曲には強い。高域のまろやかさ、音の太い感じが好みを分けそう

海外レビューなんかを読んだけど、結構評価分かれてる機種。まず低域は温かみがあって、結構深くまで出ているけど、地熱感があるのでクリア感はそれほどでもない。このあたりを肯定的に評価する場合は優れたベースサウンドという評価になるけど、否定的に評価する場合は深いところで濁っているという判断になる。これは好みの問題だけど、個人的には重低域に関して、ロックやJAZZを聴く関係上、地熱感を結構重視しているのでこの低域の評価に関しては私は肯定的に捉える派。

次に高域の少しつややかさを厚く表現するような、まろやかな質感に関してもボーカルディテールに照らし合わせて、聞き心地がよいという判断と、繊細さに欠けるという評価で分かれる。

で、ゆったりした低域に支えられた豊かな音場と音の厚みが良く、個々の音に明瞭感があるという点だけは基本的に評価が揺るがない。音場は基本的には厚みのある音で充実した感じであり、ウォームでマイルドな印象を受けるという点も異論は無いだろう。

そういうわけで、どちらかというとアコースティックなサウンドに強い印象を受けるが、一方で低域に適度なスピード感もあり、デジタル音を多用するダンスサウンドを聴いてみても、私は意外と満足して聴ける印象がある。たしかに中域から低域に少しふくよかな感じがあるので、密度高めかなとは思うけど、一方で見通しの良いクリアな感じもあるので、音の粒立ちは悪くなく、なんだかんだ言って万能に聴ける印象があり、聞き心地と聴き応えのバランスは良い感じでこの機種は好評価。

HIDIZS MS4

8

高域

7.0/10

中域

8.0/10

低域

9.0/10

Pros

  • 高いビルドクオリティ
  • 厚みのある豊かな楽器音、ボーカル
  • まろやかな高域
  • ゆったりしつつもスピード感もある低域
  • ウォームで聞き心地が良い

Cons

  • 人によって低域は濁っている印象を受けるかも知れない
  • 人によってまろやかすぎるかもしれない高域

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