【レビュー】ROSE BR5 mk2:女声ボーカルを丁寧に聴かせるコスパ最強クラスの5BAイヤホン

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免責事項

レビューは手持ちの機種と販売店舗さんのご厚意で試聴させていただいた範囲内の機種で作成しております。ケーブルは標準付属品のはずですが、セッティングは販売店舗さんにより異なる場合があります。イヤーピースは手持ちのものを使える場合は、それを用いてテストしております。レファレンスはJVC スパイラルドット++ Lサイズですが、機種によって使えない場合もあるかもしれません。使えない場合どうするかはその都度。

テスト機は基本的にAstell & Kern KANN CUBEを用いていますが、音質の特徴を捉えるために副次的にONKYO GRANBEATなど別のDAPも使っております。

一応解像度とかの比較用にイヤホンのレファレンスを定めていて、EarSonics ES5です。

 

スペック

  • ドライバー:バランスドアーマチュア
  • ドライバー構成:5ドライバー
  • 周波数特性:20Hz – 20kHz
  • インピーダンス:14Ω
  • 感度:112dB

使用感

装着感

カスタムIEMに似せたデザインになっており、耳にしっかりと嵌まる。

遮音性

耳をしっかり覆うので、遮音性は高め。

ビルドクオリティ

ROSEはビルドクオリティでは評判が高い方ではない。個体によってはノズルフィルターが最初から取れていたりするという話があるが、私の手に入れた個体はそこまで酷くなかった。それでもmmcxコネクタはやや緩く、工作精度は高くないように思われる。

音質

総合:23/30
7.7/10

高域

8/10
8/10

シルキーな手応えで耳に優しく、空気感も多い

  • 質感:ややウォーム、シルキー、やや硬質、すっきり
  • 明るさ:明るめ
  • 拡張性:かなり良い
  • 派手さ:やや派手
  • 緻密さ:やや緻密

中高域にはっきりした明瞭感と、そのうえあたりの高域にさらっとしたシルキー感がある聞き心地の良い高域が特徴。カンカンチンチンといった金属的な音が印象的に響き、アコースティックギターにも鮮やかな色合いが感じられる。女声ボーカルも高域では明るく伸びる。

中域

8/10
8/10

中高域に厚みがある

  • 質感:ややウォーム
  • 明るさ:明るめ
  • 横幅:広め
  • 奥行き:広め
  • ボーカル:少し前、自然な太さ、甘味がある

中低域に向かってはすっきりしているが、中高域には厚みがあり、女声ボーカルは濃く甘味も出る。高域の抜けの良い感じもあって、女声ボーカルには充分満足できるだろう。ピアノや弦楽、ギター、シンバルはやや手がかりが硬めに思うが、むしろカチッとした感じが好みという人も多いだろう。

基本的に清潔で見通しが良いが、濃度感もほどほどにあり、温かみがある。

低域

7/10
7/10

穏やかで中域を暖め、支える低域

  • 質感:ややウォーム
  • 明るさ:明るめ
  • 重心:普通
  • 重み:普通
  • 重低音:普通

暖かみと一定の広がりを感じるが、低域の存在感はやや抑えめ。どちらかというと中域を支えている感じで、ベースも濃さはそれほどでもなく、温かみのある感じである。手応えはやや柔らかく、タイトさは感じられるが、それほど強く引き締まる感じはない。

  • 【レビュー】HIDIZS MS4:厚みのある自然な音が低域から高域まで豊かに響いてくる良質サウンド

    海外レビューなんかを読んだけど、結構評価分かれてる機種。まず低域は温かみがあって、結構深くまで出ているけど、地熱感があるのでクリア感はそれほどでもない。このあたりを肯定的に評価する場合は優れたベースサウンドという評価になるけど、否定的に評価する場合は深いところで濁っているという判断になる。これは好みの問題だけど、個人的には重低域に関して、ロックやJAZZを聴く関係上、地熱感を結構重視しているのでこの低域の評価に関しては私は肯定的に捉える派。 次に高域の少しつややかさを厚く表現するような、まろやかな質感に関してもボーカルディテールに照らし合わせて、聞き心地がよいという判断と、繊細さに欠けるという評価で分かれる。 で、ゆったりした低域に支えられた豊かな音場と音の厚みが良く、個々の音に明瞭感があるという点だけは基本的に評価が揺るがない。音場は基本的には厚みのある音で充実した感じであり、ウォームでマイルドな印象を受けるという点も異論は無いだろう。 そういうわけで、どちらかというとアコースティックなサウンドに強い印象を受けるが、一方で低域に適度なスピード感もあり、デジタル音を多用するダンスサウンドを聴いてみても、私は意外と満足して聴ける印象がある。たしかに中域から低域に少しふくよかな感じがあるので、密度高めかなとは思うけど、一方で見通しの良いクリアな感じもあるので、音の粒立ちは悪くなく、なんだかんだ言って万能に聴ける印象があり、聞き心地と聴き応えのバランスは良い感じでこの機種は好評価。
  • 【レビュー】Astrotec Delphinus5:元気で快活な押し出しの強い中高域が魅力。明るいロックやポップスを楽しく聴きたいならこれ

    ボーカルフォーカスが非常に優秀なイヤホンなので、ポップスやアニソンを充分満足させて聴かせてくれる。押し出しは強く、音場は上向きで、少し明るさを強く出すところがあるので、そのあたりの押しの強いキャラクターが好みを分けそうで、落ち着いて音楽を楽しみたい人には向かないが、元気いっぱい快活な感じが好きなら、文句なくオススメできる。 低域がやや薄くなりがちなのと高域で案外突き抜けないあたりも気になるが、イヤーピースでも十分改善可能だし、イコライザーでいじれば比較的簡単に調整できそう。元々わかりやすい調整がされていて素性も良いので、イコライジングもしやすく、自分好みの音に合わせやすいだろう。

おすすめイヤホン

官能性

辛島美登里 「モノローグを染めて」

辛島美登里 パーフェクト・ベスト

中高域に充実感があり、中域でも女声ボーカルに甘味を出すくらいの濃さと、高域でもわずかに抜けが良い感じが出るバランスは女声ボーカルのポップス向き。たとえばこの曲なんか、中高域に手がかりが多くて、光沢感がしっかり出るだけでなく、中域のしっとりした深みまで味わえる。温かみがある空間は清潔で見通しも良い。

藤田麻衣子 「君が呼ぶのなら」

藤田麻衣子 さわって

この曲も中高域に手がかりが多く、ディテール感が丁寧に出る。シンセの透明感も充分で澄んだ雰囲気が良く出る。藤田麻衣子の清澄感のあるボーカルを楽しむのにもちょうどよいバランスで、のびやかさも甘味も思う存分味わえる。

nonoc 「Relive」

この曲のギターのディストーションの浮かれた感じを丁寧に出しつつ、シンバルやボーカルの抜けにシルキーな感じがあって適度にマイルド。ボーカルはほどよく抜けも良く、甘味も充分で精彩が乗っている。見通しが良いが、ほどよい濃度感も感じられる。

NIRGILIS 「kiseki」

nirgilis kiseki

ほどよい濃さと見通し感でこの曲を楽しめる。EDM系で低域にビシバシ床面を感じる曲だが、このイヤホンはほどよい暖かさのある手応えで聞き心地をマイルドにして聴かせてくれる。中高域のディテールも緻密に出し過ぎずほどよくマイルドに表現していて、ボーカルが自然に浮かび上がって聞こえてくる。

三月のパンタシア 「青春なんていらないわ」

ほどよく鮮やかでほどよく温かみがある。この曲のボーカルのちょっとふわっとした甘味も丁寧に出て、さらにそれを囲むギターやピアノも暖かみがあって調和的。シンバルはチッチッと刻みが細かいが上ではマイルドに抜ける。

Origa 「Inner Universe」

中高域のディテールとほどよい光沢感があるので、この曲の緻密な感じを充分に味わわせてくれつつ、高域はややマイルドにディテールを抑えるので、上に撥ねてうるさい感じは抑えられている。自然と少し透明感の強いボーカル周りに音の密度が出てきて充実する。中域に清潔感があるので、この曲の独特の浮揚感も丁寧に立体化されて聞くことができる。

おすすめイヤーピース

この機種のノズルの太さは普通。比較的万能にイヤーピースを合わせやすい。

AZLA SednaEarFit

AZLA SednaEarfit

低域の色味が少し濃くハッキリして聞こえるので、コントラスト感が出る。

Spinfit CP100

Spinfit CP100

中高域に濃さが出て、ボーカルがややはっきりと聞こえ、低域もわずかに存在感が増し、立体感がより感じられるようになる。

JVC SpiralDot++

JVC スパイラルドット++

高域の空気感が感じられ、中高域も鮮やかに聞こえる。音場に少し整理された感じがある。

final E-CLEAR

final E-clear

抜けがよくなり、中高域の明瞭感もやや上がる。ボーカルにもすっと伸びるさわやかさが出る。

SONY TripleComfort

トリプルコンフォート

中高域から高域にかけて目立たせ、やや音場全体を引き上げる感じがある。高域のディテール感が向上する。

radius DeepMount

radius deeo mount

低域が広くなり、中高域以上が縦に引き延ばされる感じが出るので、立体感が出る。一方で音場の左右はやや狭まって感じられる。

【総評】3万円以下で女声ボーカルを楽しむなら有力候補

音質的に人気が高く、3万円以下では有力候補といわれている機種。とくに女声ボーカルが素晴らしいと評価されているが、実際高域は空気感を出し過ぎず、女声ボーカルが自然と高く目立つバランスになっていて、甘味も充分に感じられる。中域の清潔で見通しの良い感じも好感が持て、しかもほどよくウォームでマイルドなので聞き心地にキツいところもない。

ビルドクオリティがやや安定していないところだけは非常に気になるが、コスパはかなり高いと言える。

ROSE BR5 mk2

7.7

高域

8.0/10

中域

8.0/10

低域

7.0/10

Pros

  • 手がかりの多い中高域
  • マイルドでシルキーに抜ける高域
  • 女声ボーカルが味わい深い
  • 中域に見通し感がある
  • 適度にウォームで聞き心地が良い

Cons

  • ビルドクオリティは高いとは言えない
  • 低域が薄味

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