この記事ではオーディオレビュー記事を毎日書いており、膨大な数の中華イヤホンを普段からコレクションし、そのほとんどを測定し尽くして特性を知り尽くしている当ブログの管理人が、普段使いしているコストパフォーマンス最強の中華イヤホンを紹介します。
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- この記事は本当に良いイヤホンを手に入れたいと思っている人に向けて書かれており、製品宣伝記事ではありません。
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- TRUTHEAR x Crinacle Zero
- TinHiFi C2 Mech Warrior
- CCA CXS
- LETSHUOER S12
- Moondrop KATO
- Open Audio Mercury
- FAudio Dark Sky
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TRUTHEAR x Crinacle Zero
Trustear ZEROは低価格でありながら、優れた水準の音質を提供するだけでなく、ハイエンドにも匹敵するパフォーマンスを持っています。パッケージも価格の水準以上で、全体的に購入して損はすることはまずないと言えるイヤホンでしょう。文句なくお勧めできる製品の一つと言えます。
周波数特性
オーディオステータス
総評
Truthear ZEROは価格帯で優れたパフォーマンスを持っており、一般にハイエンドクラスに匹敵するかその多くを打ち負かしさえすると評価することができます。
圧倒的なパフォーマンスを誇るようにも思えますが、同じ価格帯にライバルはいるでしょうか?
まず、完全ワイヤレスイヤホンであるEarFun Air Pro 2は低域がより拡張され、高域ではTrustear ZEROに劣りますが、一般にほぼ同等のサウンドパフォーマンスを実現します。個体差のレベルの問題かもしれませんが、全体的な滑らかさではAir Pro 2のほうがより優れている可能性もあります。
TinHiFi C2は同じ価格帯の優れたモデルですが、そのサウンドデザインはZEROとは異なります。C2はより正統派のスタジオチューニングであるSonarWorksターゲットに近く、より原音忠実的です。つまり、よりスピーカーライクな定位感を持つイヤホンです。ZEROとC2は使い分け可能な同等の性能の選択肢ですが、スピーカーライクな音像把握よりも、原曲そのものの定位感やディテールを重視する場合、ZEROのほうが優れたパフォーマンスが期待できます。しかしとくに低域ではC2はZEROをアウトパフォームするでしょう。
レビュー記事
こんな人におすすめ
- 優秀なモニターイヤホンを探している
- 音像一貫性重視
- ウォームなサウンドが好き
- ディテール重視
- 質感重視
- 定位感重視
- コスパ重視
TinHiFi C2 Mech Warrior
TinHiFi C2は非常に低価格で非常に優れたスタジオチューニングライクなニュートラルサウンドを提供する、現状におけるTinHiFiの最高傑作のひとつと言っていいイヤホンです。ビルドクオリティの点でもTinHiFiは格段の進歩を遂げており、総じてこの価格でここまでの製品を作れることに驚きを隠せません。
周波数特性
オーディオステータス
総評
シングルダイナミックドライバーの品質は向上しており、低価格でも非常に良質なサウンドを提供できるようになっています。少なくとも中域にこだわる場合、ダイナミックドライバーが現状で最もパフォーマンスが期待でき、コスト面でも優位にあることは間違いありません。バランスドアーマチュア型が歪みが強いことはもちろん、平面駆動型も透明度に関しては、まだダイナミックドライバーの水準に到達していないようです(例外に近いのはLetShuoer S12)。
そのため、2023年現在のオーディオマニアは実際には最高品質の音質を聴くのに、高いお金を払う必要はありません。少なくとも中域の再現度は低価格のシングルダイナミックドライバーがハイエンドのマルチドライバーハイブリッドを圧倒しています。最近のダイナミックドライバーは中域で非常にピュアな音を実現しつつ、レンジ感の点でも不足はそれほどありません。
そのため、レンジや解像度を改善するためにバランスドアーマチュアドライバーを搭載することは、最終的には音を汚す原因になりやすく、細かな欠点をつぶそうとして、より大きな欠点を招く結果になります。つまり、実際には全体のパフォーマンスの悪化につながることが多いです。
そういうわけで、現状ではよほどうまくチューニングできないならば(あるいはBAの歪特性をうまくサウンドに織り込めないならば)、ハイブリッドを採用しないでシングルダイナミックドライバーで仕上げた方が高水準のサウンドを実現できるのです。
すなわち、下手に1万円以上のハイブリッド構成やバランスドアーマチュア搭載の機種を探すより、ビルドクオリティとサウンドの両面で優れたTinHiFi C2のような5000円程度のシングルダイナミックドライバーの機種を手に入れる方が現状でははるかに幸せになれる可能性が高いです。C2は耳が肥えたオーディオマニア向けに文句なくおすすめできる機種の一つです。
レビュー記事
こんな人におすすめ
- サウンドバランス重視
- スタジオチューニングが好き
- 解像度重視
- 透明度重視
CCA CXS
CCA CXSはニュートラルに近いバランスの良いスタジオモニターライクサウンドを低価格で実現している魅力的なイヤホンです。とくに色気のあるつややかなサウンドが好みの場合、かなりおすすめできると言えます。
周波数特性
オーディオステータス
総評
光沢感の豊かな、艶のあるサウンドが好みなら、CCA CXSは非常に魅力的なイヤホンと言えるでしょう。チューニングの水準も高く、バランスよく高域で不快なピークもほとんどないように、滑らかに仕上げられており、聞き心地もよい機種です。また低域好きを満足させるほど深みのある低域も魅力でしょう。
レビュー記事
こんな人におすすめ
- スタジオチューニングサウンドが好き
- 低域の深さ重視
- 色気のある音が好き
- サウンドバランス重視
- コスパ重視
LETSHUOER S12
LETSHUOER S12はすでに優れたオーディオブランドとして様々なイヤホンを送り出してきた隠れた名門ブランドが、平面駆動型でも卓越した能力を示した金字塔です。驚くべきは彼らがこのイヤホンでまた新しいチューニングの境地に到達していることです。
Moondropのようにほとんど変わらないターゲットカーブの製品を飽きもせずに作り続ける、音の表現の幅ではつまらないブランドとは異なり、LETSHUOERは既存の様々なターゲットカーブを参照しつつ、それをそのまま使用せずに研究し、改良を加えたものをつねに提供してきました。少なくとも音質面でコレクションを楽しむという点ではMoondropのイヤホンを複数本持っててもあまり面白いことはありませんが、LETSHUOERのイヤホンは揃えれば揃えるほど、オーディオマニアにとって豊かで良質なコレクションになるでしょう。
今回LETSHUOERはおそらくSonarworksターゲットを研究し、そこから高域方向を重点的に調整していったのでしょう。率直に言って、理にかなっています。
周波数特性
オーディオステータス
総評
LETSHUOER S12は優れた位相一貫性、制動特性を持ち、ハイエンド並の音域と解像度を持つ非常に優れたイヤホンです。この価格帯で最も優れたイヤホンの1つとして文句なくお勧めできるだけでなく、全価格帯見てもこれほどのサウンドバランスとオーディオスペックを実現している機種は稀でしょう。
欠点は適正音量より音量を上げると、比較的すぐに歪みが目立ちやすいことですが、適正音量で聴く限り問題になることはないでしょう。
レビュー記事
こんな人におすすめ
- スタジオチューニングが好き
- 質感重視
- バランスの良いイヤホンが欲しい
- 解像度重視
- コスパ重視
Moondrop KATO
Moondrop KATOは高い解像度と抜群に低いTHD、そしてモニタースピーカーにほぼ完全に近づけた前方定位感のあるフラットサウンドを提供する非常に優れたモニターイヤホンです。さらにノズル交換により響きを増大させ、解像度を調整することでよりリスニングライクな音を実現することもできます。個人的に全体のコンセプトと音作りに心から称賛を惜しまない機種ですね。これ以上のイヤホンはそうそうありません。
周波数特性
オーディオステータス
総評
この価格帯で最もクリアで解像度の高いモニタースピーカーのようなイヤホンが欲しい場合、Moondrop KATOがその最高の候補です。のみならず、この上の価格帯を探してもこれ以上はほとんど望めないというくらい、スペック的にも優秀です。
個人的にはSteelノズルの場合、よくできたイヤホンですが、とくに面白いとは思いません。むしろBrassノズルのほうが響きが加わり、まろやかになり、解像度は落ちるものの、味わいが出てきて好きです。
レビュー記事
こんな人におすすめ
- 解像度の高いサウンドが好き
- モニタースピーカーの音が好き
- コスパに優れたイヤホンが欲しい
- とにかく曲の隅々まで確認したい
Open Audio Mercury
Open Audio Mercuryは独特のハーモニックで艶のあるサウンドを持つイヤホンです。Open AudioはMercuryを美しい女声ボーカルを実現するチューニングを施したと主張していますが、Mercuryを聴けば、誰もがその独特のアナログ的な雰囲気のボーカル表現にエロティシズムを感じることができるでしょう。色気のある音楽を好むリスナーにとって、それは非常に優れた、唯一無二の相棒となるかもしれません。
周波数特性
オーディオステータス
総評
最先端のデジタルオーディオによってかつてないほどクリアなサウンドが手に入れられるようになった現代のサウンドエンジニアたちを悩ませる有名な問題があります。
それは「なぜ人はより高音質なデジタルオーディオが実現されてなお、アナログオーディオの劣化した音を好み、むしろデジタルオーディオの高品質な忠実再生よりそれを高く評価しさえするのか」という問いです。
Open Audio Mercuryは良質なサチュレーターともいうべきイヤホンで、それは解像度を調整し、歪みを加えることで倍音を豊かにします。ボーカルやギターに彩りを加え、質感に温かみを出し、どこか不器用なヴィンテージ感のある雰囲気を音楽に加えます。
少なくとも私にはこのサウンドはとても美しく、感動的です。Mercuryの音響空間には忠実再生とは全く異なる、ノスタルジアに満ちた音楽の原風景があります。
レビュー記事
こんな人におすすめ
- 重厚感重視
- きらびやかさ重視
- エロティックなボーカルやギターを聴きたい
- アナログサウンドが好き
- 真空管アンプの音が好き
- バランスの良いイヤホンを探している
FAudio Dark Sky
FAudio Dark Skyはウルトラハイエンド級と言える高解像と超低歪を実現し、かなり質の高い中域を持つ、まさにFAudioの渾身の作品と言っていいイヤホンです。気品のあるその外観そのままに、凛として整ったサウンドを聞かせてくれます。
周波数特性
オーディオステータス
総評
FAudio Dark Skyは並みいるハイエンド機種と比べても一つ頭の抜けている優れた解像度を持ち、透明度も高い透き通るような中域が魅力的なサウンドを持っています。パッケージ内容も全部入りと言っていいほど豪華で開梱体験もなかなか楽しく、イヤホン本体のデザインも気品の感じられる美しい深い青色をしています。「フラッグシップとしてふさわしい音を作り上げた」とFAudioが自信満々に豪語していましたが、それはたしかに事実と言え、これほど高額の価格帯でも埋もれることなく、むしろほかの追随を許さないほど優れた固有の魅力を持っていると言っていいでしょう。得意分野では神がかったところのある機種です。
レビュー記事
こんな人におすすめ
- ボーカル重視
- 解像度重視
- デザイン重視
- パッケージ重視
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