【完全ワイヤレスイヤホン Jabra Elite 4 Active レビュー】ANCの性能は価格の標準を満たし、高い機能性と通信品質を持つ。音質も悪くない
10000円~20000円Jabra Elite 4 Active 2022.12.09
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。

オーディオステータス
Jabra Elite 4 Activeのオーディオステータス
※オーディオステータスは周波数特性(自由音場補正済み)から「各要素に関わる周波数帯域の平均値」を算出し、その特性平均値全体の「全体平均値」を求め、「各要素に関わる周波数帯域の平均値」の「全体平均値」からの乖離を数値化したものです。各要素の相対的な強さを表し、独自のオーディオ指標として導入しています。音質解説
今回は標準イヤーピース Lサイズを使い、FiiO M15とaptXで接続してレビューします。
Jabra Elite 4 Activeはニュートラルを意識した中域充実系のサウンドシグネチャーを持っています。
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低域(8.0)
- 原音忠実度:S-
- 臨場感:B-
- 深さ:B+
- 重み:A-
- 太さ:B+
- 存在感:B

Jabra Elite 4 Activeの低域は重みに優れていますが、深さはやや物足りません。
バスドラムキックの重量感は十分でインパクトが感じられますが、深みに欠けるのでランブルは不足気味で、やや実在感で物足りない印象を受けるでしょう。私には浅くトントンした感じに聞こえますね。
エレキベースも黒さで少し物足りません。
低域は低域マニアを満足させる水準ではないでしょう。また直線性もやや物足りず、引き締まりもいまいちです。
中域(9.0)
- 原音忠実度:S
- 厚み:B+
- 明るさ:A-
- 硬さ:B+
- 存在感:B

中域はニュートラルに近く調整されています。前面に出てきて明るく、詳細に聞こえ、質感はそれなりに正確です。クリアで見通し感もよいですが、硬さは少し物足りず、構築感の点でいまいちです。
たとえばスネアのキレが悪く、ロックを聴いても引き締まり感に欠けます。ギターエッジも地味で物足りません。ボーカルも子音の角がやさしく、耳当たりがマイルドで聴き心地が良いと言えますが、活舌が悪く思えます。
私にはいまいち軸が弱くふにゃふにゃして聞こえる中域で、個人的にはあまり好みではないですね。
高域(8.5)
- 原音忠実度:D
- 艶やかさ:B+
- 鋭さ:B+
- 脆さ:B-
- 荒さ:D+
- 繊細さ:D+
- 存在感:C+

高域は拡張性が不足していますが、精細感は十分でディテール再現度は高めです。
歯擦音のエネルギーやサ行の刺さりはうまく抑制されているので、高域に敏感な人にはわりとセーフティです。抜けが悪いので爽快感はなく、ハイハットは広がりに欠ける上に地味です。
全体的に締まりが悪いせいもあって、シンバルやギターは個人的にはあんまり面白味を感じません。全体的にジャンというような印象で、じんわりしたような音に聞こえ、シャーンという抜けの良さと伸びがありません。弦楽や管楽にも華やかさを感じづらいところがあります。
一方で定位感はかなり優秀です。
Jabra Elite 4 Active定位/質感
- 質感の正確性:A+
- 定位の正確性:A
- オーケストラのテクスチャ:B
- 雅楽のテクスチャ:B
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
サウンドバランスの上ではフルオーケストラ向きのイヤホンとしてElite 4 Activeはそれなりにおすすめできます。中域はかなり正確で楽器音にみずみずしさがあり、輝度も足りているのでディテール感に不足も感じません。しかし高域のスケールの不足からくる締まりのない楽器音は聞いていてあんまり面白いものではないですね。
雅楽も花形の篳篥の音の軸が弱く、力強さに欠けてふんわりして聞こえます。和音も輪郭感が緩く、妙にぼんやりして聞こえるので、曲全体に締まりがない印象で聞こえます。抜けも悪いです。
音場/クリア感/イメージング
深さは標準以下で、中域は比較的前面におり、高域の拡張性は物足りません。
クリア感は価格の標準以上です。
イメージング性能は価格の標準以上です。中域でかなり高いですね。
Jabra Elite 4 Active 
音質総評
Jabra Elite 4 Activeは音質面では比較的良好な中域の質感再現度と定位感の良さが光ります。しかし、レンジ感の悪さと中域の構築感の悪さが足を引っ張るところがあり、総合的には悪くない選択肢といった程度になります。
少なくとも音質的にはElite 4 Activeより安い価格にもこれより優れた選択肢はたくさん見つかるはずです。
一方で、歪の変化も含めての左右差の少なさなどクオリティコントロール面での品質の良さが感じられ、一流メーカーらしい品質管理が行われていることが予想できます。
音質的な特徴
美点
- サウンドバランスが良い
- 良好な原音忠実性
- 良好な質感
- 優れた定位感
- 聴き心地が良い
- 中域への適切なフォーカス
- 優れた音像一貫性
- 左右の一致(優れた品質管理)
- 良好な精細感
欠点
- 構築感に欠ける
- 高域の拡張性で劣る
- 低域の深さで物足りない
- 締まりが悪い

Jabra Elite 4 Active
Jabra Elite 4 Active
Jabra Elite 4 Active
Jabra Elite 4 Active
Jabra Elite 4 Active
Jabra Elite 4 Active
フリュー ゆるキャン△ スペシャルフィギュア 各務原なでしこ
フリュー ゆるキャン△ スペシャルフィギュア 各務原なでしこ
レコーディングシグネチャー
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはFiiO M15でレコーディングにAntelope Audio Amariを用いています。コーデックはaptXで、イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 原曲(-23LUFS)
- Jabra Elite 4 Active
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 原曲(-23LUFS)
- Jabra Elite 4 Active
楽曲情報
- 楽曲名:Formidable Enemy
- アルバム名:英雄伝説 零の軌跡 スーパーアレンジバージョン
- Copyright c Nihon Falcom Corporation
Formidable Enemy- 原曲(-23LUFS)
- Jabra Elite 4 Active
海外レビューの紹介
総評
Jabra Elite 4 Activeは機能性に優れ、ANCも価格の平均くらいはあり、接続品質は優秀で、品質管理の水準も高く、音質も価格の標準以上であり、悪くない選択肢だと言えます。音質的に抜群というわけではないですが、価格帯では無難な選択肢だと思います。

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