
日本最大級の奨学金プラットフォーム「ガクシー(https://gaxi.jp/)」を運営する株式会社ガクシー(本社:東京都港区、代表取締役:松原良輔氏)が、日本の奨学金システムのデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、その導入実績や新サービスが注目を集めている。同社が開発した奨学金運営管理システム「ガクシーAgent」の学校導入数が100校を突破し、奨学金業界全体の効率化と学生支援の拡大に向けた取り組みが加速している。
奨学金業界におけるDXの急速な進展
株式会社ガクシーが提供する奨学金運営者向けDXシステム「ガクシーAgent」は、応募者の受付から選考・学生管理に至るまでの業務を一元化することで奨学金業務を効率化するクラウド型システムだ。2023年に提供を開始して以来、導入団体数は急増し、2025年現在では200を超える団体が利用している38。
「現在、日本中の学生の約半数が何らかの奨学金を受給しており、大学授業料の値上げや物価高の影響によりその必要性はさらに高まっています」とガクシー広報担当者は説明する。一方で、学校現場では人員不足や頻繁に更新される奨学金制度への対応などで業務過多となり、十分な奨学金サポートが提供できていない実態がある89。
特に令和2年4月から施行された高等教育の修学支援制度は、学校現場に煩雑な業務を発生させ、令和7年(2025年)4月には本制度が大きく改正されることで、さらなる業務効率化が求められている39。
日本の奨学金制度における課題とガクシーの挑戦
松原社長は、同社設立の背景について「前職が海外の大学や学生と関わる仕事でした。海外の学生は国や学校から奨学金や寄附を与えられて学業に集中できる環境が整っているのに対し、日本の学生はアルバイトや借金で進学費用を捻出している現状に課題意識がありました」と語る2。
同社の独自調査によると、日本国内では公共・民間の3000以上の団体が様々な奨学金を提供しているにも関わらず、学生や保護者はその情報をほとんど知らないという実態が明らかになった。奨学金の利用希望者の約75%が日本学生支援機構を利用し、そのうち60%以上が返済の必要な貸与型の奨学金だという2。
「せっかく各地方自治体、大学、財団などが若者を応援しようと機会を提供してくれているのに、それがユーザーにあまり届いていないことがあまりにももったいない」という思いから、同社は奨学金のDX化に取り組み始めた2。
多角的なサービス展開で「若者が夢を諦めなくていい社会」を目指す
ガクシーの事業は大きく分けて以下の4つのサービスから成る。
まず、学生・保護者向けの「ガクシー」は、約1万7000件の奨学金情報を網羅する情報サイトで、現在32万人のアカウント登録者を持つ。月間PV数は200万を超え、直近1年間のサイト経由の奨学金申込件数は1万7000件に達した。一般の学生・保護者に比べてガクシーユーザーの給付型奨学金の取得率は約5倍という調査結果も出ている38。
二つ目のサービスが奨学金運営者向けの「ガクシーAgent」で、募集、選考、給付、返還管理を一元化し、業務負担を削減するシステムだ。WEBからの奨学金申請や通知・連絡が可能となり、学生側の利便性も向上している38。
さらに「シン・奨学金」では、個人や団体が手軽に低予算からオリジナル奨学金を創設できるサービスを提供。企業や個人からの協賛を募り設立する奨学金の設立数は前年比約10倍と拡大している38。
最後に、企業向けの「学生採用・集客支援サービス」では、奨学金を新たなマーケティングツールとして活用するサービスを展開している38。
今後の展開
ガクシーは、2025年4月23日~25日に開催される「第16回EDIX(教育総合展)東京」への出展を予定している。展示会期間中は、ガクシーAgentの操作デモンストレーションや奨学金運営担当者向けの個別相談会、セミナーも実施予定だ613。
「若者が夢を諦めなくていい社会の実現を目指し、若者の可能性を広げる新しいお金の流れを創造していきたい」と松原社長は抱負を語る。経済的な理由で夢を諦めることのない社会の実現に向けて、同社の挑戦は続いている38。
令和7年4月に予定されている高等教育の修学支援制度の大幅改正を前に、奨学金業務のDX化の流れは今後も加速していくことが予想される。ガクシーの取り組みは、日本の教育格差是正と人材育成の新たな可能性を示す先駆的な事例として注目されている。