【完全ワイヤレスイヤホン EarFun Air Pro 3 レビュー】完全ワイヤレスイヤホンの世界ヘビー級王者。Air Pro 2の正統後継機ではない。どちらかというとSoundPEATS T2の上位互換 5000円~10000円 EarFun Air Pro 3 2023.01.04 2022.12.31
周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス 測定値は有料記事 をご覧ください。
オーディオステータス EarFun Air Pro 3(ANC ON) のオーディオステータス ※オーディオステータスは周波数特性(自由音場補正済み)から「各要素に関わる周波数帯域の平均値」を算出し、その特性平均値全体の「全体平均値」を求め、「各要素に関わる周波数帯域の平均値」の「全体平均値」からの乖離を数値化したものです。各要素の相対的な強さを表し、独自のオーディオ指標として導入しています。音質解説 今回は標準イヤーピース Lサイズを使い、FiiO M15とaptXで接続してレビューします。
EarFun Air 3 Pro は重低域重視のサウンドシグネチャー を持っています。
音質的には前世代のEarFun Air Pro 2 とは全く異なるサウンドで、Air Pro 2の正統後継機という位置づけではありません。
EarFun Air Pro 3 vs EarFun Air Pro 2 以下のレビューはANC OFFを基本とします。ANC ON時の評価値はカッコ内に併記します。
EarFun Air Pro 3 10万円くらいの価格で、定位と質感に優れた完全なニュートラルサウンドに近い優れたIEMを探しているなら、Symphonium Heliosを見逃すべきではありません。サウンドバランスにおいて完璧に近く Read more
FiiO M15の完成度はかなり驚くべきもので、10万円台の高パフォーマンス機と比べても同等か、より優れた音楽再生環境を提供してくれるはずです。アンプパワーは充分にパワフルで、音質もナチュラルかつ高解 Read more
低域(11.0) 原音忠実度:S (S) 臨場感:A- (A) 深さ:A (A) 重み:A (A) 太さ:A- (A-) 存在感:A+ (S-)
EarFunはAir Pro 2までのニュートラルサウンドを捨て、Air Pro 3では明らかに低域にフォーカスを向けています。ANC OFF時でも十分な深さに到達する低域ですが、ANC ON時はなんと10Hz以下まで到達します。この数値はこれまで私が聞いてきた中で一番深いところまで出ていたSoundPEATS T2 の15Hz付近という記録を抜き、前代未聞の深さを実現しているということを意味しています。
たとえば声優界最高の低域ボイスを持ち、「スピーカーでは聞こえない男」という異名を持つ速水奨さんのボイスの一番底をAir Pro 3ではたぶん聞くことができます。速水奨ファンなら見逃せないイヤホンかもしれません。
低域にこだわる本当の重低域マニアにとって、現状で最高峰の低域イヤホンであることは間違いなく、唯一無二です。絶対に見逃せない逸品でしょう。
しかし、この低域がすべての禍の元であることも事実で、この過剰な重低域のせいで全体の解像度は低くなり、人によっては全体的に良く聞こえなくて非常に安っぽい音に聞こえる可能性があります。というより、重度の重低域マニアでもない限り、低域好きでも「これはやりすぎ」と思うくらい、賛否両論を生むんじゃないかと思います。
とにかく一番下の音を聞きたいという欲求を持つ重低域マニアにとっては現状における至宝です。
EarFun Air Pro 3 中域(7.5) 原音忠実度:A- (B) 厚み:B+ (B+) 明るさ:B (B) 硬さ:B- (C+) 存在感:B (B)
EarFun Air Pro 3の中域について語ることはほとんどありません。ANC ONでは低域がうるさすぎてまともに聞こえませんし、ANC OFFでも解像度が低く、全体的に響きが強すぎて個々の音像の輪郭が埋没してよくわかりません。
歪はかなり低いので透明度は高いですね。
EarFun Air Pro 3 高域(7.0) 原音忠実度:D (D) 艶やかさ:B (B-) 鋭さ:B (B) 脆さ:C+ (C+) 荒さ:D- (D-) 繊細さ:D- (D-) 存在感:C+ (B-)
一般にAir Pro 3の高域は存在感が弱めで、拡張性でも優れていません。
ANC OFF時は比較的まともな定位感を提供しますが、ディテール感はやや物足りないレベルです。ANC OFF時はディテールは改善されるものの、定位感が悪化します。
どちらにせよ、良く聞こえないので語るべきことはほとんどありません。
EarFun Air Pro 3 定位/質感 質感の正確性:B (C) 定位の正確性:A (B-) オーケストラのテクスチャ:C- 雅楽のテクスチャ:C- 定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅 」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
このイヤホンでフルオーケストラを聴いても面白いところなんてほとんどありません。私?最高です。
雅楽もほかのイヤホンで聞いたほうがマシです。私?これ以上ないくらい極上ですね。
EarFun Air Pro 3 音場/クリア感/イメージング 音場: B+クリア感:A- イメージング:B (C)高域:B (B-) 中域:B (C) 低域:B- (C-)
深さは抜群に深く、中域で奥行きが強調され、高域の拡張性はかなり物足りません。
クリア感は価格の標準以上です。
イメージング性能は価格の平凡以下です。
音質総評 原音忠実度:B+ (B) おすすめ度:B 個人的な好み:S+
素晴らしいEarFun Air Pro 2の後継機種を探している人にとって、Air Pro 3は単なる悪夢です。一方で、音楽そのものの中に飛び込むほどの一体感を求める重低域マニアにとってAir Pro 3は、SoundPEATS T2を上回る性能が手に入る現状における究極のイヤホンです。
このイヤホンは万人向きではありません。
音質的な特徴 美点 10Hz まで伸びている低域(驚愕)重厚 上品でシック 響きが豊か 真の臨場感を生み出すディープベース 欠点 籠り感 中域がかなり暗い 低解像度 原音忠実的ではない 不自然な質感
EarFun Air Pro 3
EarFun Air Pro 3 EarFun Air Pro 3 EarFun Air Pro 3 EarFun Air Pro 3 EarFun Air Pro 3
一番くじ Re:ゼロから始める異世界生活―喜びなさい、両手に花ってヤツよ― C賞 レム 一番くじ Re:ゼロから始める異世界生活―喜びなさい、両手に花ってヤツよ― C賞 レム
レコーディングシグネチャー 参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはFiiO M15でレコーディングにAntelope Audio Amari を用いています。コーデックはLDACで、イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系) 原曲(-23LUFS) EarFun Air Pro 3 EarFun Air Pro 3 (ANC ON) Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!- 原曲(-23LUFS) EarFun Air Pro 3 EarFun Air Pro 3 (ANC ON) 楽曲情報
楽曲名:Formidable Enemy アルバム名:英雄伝説 零の軌跡 スーパーアレンジバージョン Copyright c Nihon Falcom Corporation Formidable Enemy 原曲(-23LUFS) EarFun Air Pro 3 EarFun Air Pro 3 (ANC ON) 総評 EarFun Air Pro 3 は前世代Air Pro 2と同等以上の機能性とANC性能を持った優れた完全ワイヤレスイヤホン です。しかし、そのサウンドは低域マニア向けになっており、前世代のAir Pro 2の優れたニュートラルサウンドを好んでいた人にとって、まったく期待とは異なるサウンドに調整されています。
EarFun Air Pro 3は私がこの一年求め続けてきたSoundPEATS T2のほぼ完全な上位互換であり、重低域マニアならぜひ手に入れることをおすすめします。私は今年最後にこれまでで最高のイヤホンを手に入れた気分でこれ以上ないくらい幸せですね!ありがとうありがとうEarFun。本当にありがとうございました。
EarFun Air Pro 3
【完全ワイヤレスイヤホン AVIOT TE-J1 レビュー】高解像で派手な高域と重厚な低域を併せ持つ楽しいV字ドンシャリサウンド
【完全ワイヤレスイヤホン AVIOT TE-J1 レビュー】高解像で派手な高域と重厚な低域を併せ持つ楽しいV字ドンシャリサウンド
AVIOIT TE-J1は、その高い解像度を考えると、ハイブリッドドライバーを適切に実装した優れた完全ワイヤレスイヤホンと言えます。
【中華イヤホン CCA PLA13 レビュー】重厚感と爽快感を兼ね備える優秀なレンジ感
【中華イヤホン CCA PLA13 レビュー】重厚感と爽快感を兼ね備える優秀なレンジ感
CCA PLA13は平面駆動型の特徴である優秀なレンジ感に妙味のあるインイヤーモニターです。
【中華イヤホン KBEAR Storm レビュー】ブーミーな低域を持つV字ドンシャリ
【中華イヤホン KBEAR Storm レビュー】ブーミーな低域を持つV字ドンシャリ
CCA HM20は1DD+7BAハイブリッドというかなり複雑なドライバー構成でありながら、かなり滑らかな音像一貫性のあるサウンドを実現しているイヤホンです。
【完全ワイヤレスイヤホン Marshall Motif A.N.C レビュー】色気のあるMarshallギターサウンド
【完全ワイヤレスイヤホン Marshall Motif A.N.C レビュー】色気のあるMarshallギターサウンド
美しいエレキギターのエッジにこだわる人なら、Marshall Motif A.N.Cを検討対象に入れることをおすすめします。
【中華イヤホン CCA HM20 レビュー】暗くて地味なマイルドドンシャリサウンド
【中華イヤホン CCA HM20 レビュー】暗くて地味なマイルドドンシャリサウンド
CCA HM20は1DD+7BAハイブリッドというかなり複雑なドライバー構成でありながら、かなり滑らかな音像一貫性のあるサウンドを実現しているイヤホンです。
【完全ワイヤレスイヤホン Panasonic RZ-S50W レビュー】バランスの良いサウンドと高いコスパ
【完全ワイヤレスイヤホン Panasonic RZ-S50W レビュー】バランスの良いサウンドと高いコスパ
Panasonic RZ-S50Wはフラットかつニュートラルと言える優れたサウンドバランスを持っています。
【中華イヤホン Kinera Celest Pandamon レビュー】明るい中域で切り開く独自の世界観
【中華イヤホン Kinera Celest Pandamon レビュー】明るい中域で切り開く独自の世界観
Kinera Celest Pandamonは明るい中域を印象的に聞かせるインイヤーモニターです。
【完全ワイヤレスイヤホン Xiaomi Redmi Buds 4 Pro レビュー】LDAC対応。明るいバランスのサウンドを持つ高機能完全ワイヤレスイヤホン
【完全ワイヤレスイヤホン Xiaomi Redmi Buds 4 Pro レビュー】LDAC対応。明るいバランスのサウンドを持つ高機能完全ワイヤレスイヤホン
Xiaomi Redmi Buds 4 Proは高音質コーデックLDACに対応する比較的高機能なイヤホンです。
【中華イヤホン JOYODIO SHINE レビュー】16通りもの音が楽しめる完成度の高いオーディオマニア向けイヤホン
【中華イヤホン JOYODIO SHINE レビュー】16通りもの音が楽しめる完成度の高いオーディオマニア向けイヤホン
JOYODIO SHINEは音質調整可能なスイッチシステムを備えたニュートラルチューニングのイヤホンです。
【中華イヤホン QoA Gimlet レビュー】濃密な中域を味わえるリッチサウンド
【中華イヤホン QoA Gimlet レビュー】濃密な中域を味わえるリッチサウンド
QoA Gimletはウォームでメロウな濃密感のある中域が楽しめるQoAらしいサウンドを実現しているイヤホンです。
【完全ワイヤレスイヤホン Technics EAH-AZ40 レビュー】ザ・ドンシャリサウンド
【完全ワイヤレスイヤホン Technics EAH-AZ40 レビュー】ザ・ドンシャリサウンド
Technics EAH-AZ40は深みのある低域とアグレッシブな高域が味わえる、典型的なドンシャリタイプのサウンドを持っています。
【中華イヤホン KZ ZAR レビュー】重厚かつ濃密
【中華イヤホン KZ ZAR レビュー】重厚かつ濃密
KZ ZARは低域寄りの重厚で濃密感のあるメロウなニュートラルサウンドを実現している機種です。
【ハイエンドイヤホン Astell&Kern AK ZERO1 レビュー】AKのデビュー作はわりとまとも
【ハイエンドイヤホン Astell&Kern AK ZERO1 レビュー】AKのデビュー作はわりとまとも
Astell&Kern AK ZERO1はブランドのデビュー作、かつトライブリッドというかなりの難業を乗り越えてうまくスタジオモニターとしてまとめあげた労作です。
【中華イヤホン HZSound Heart Mirror ZERO レビュー】明るいスタジオモニターを探している人向け
【中華イヤホン HZSound Heart Mirror ZERO レビュー】明るいスタジオモニターを探している人向け
HZSound Heart Mirror ZEROは低価格で手に入る明るいスタジオモニターライクサウンドのインイヤーモニターです。
【中華イヤホン qdc Dmagic Solo レビュー】ドンシャリ・マジック・ソロ
【中華イヤホン qdc Dmagic Solo レビュー】ドンシャリ・マジック・ソロ
qdc Dmagic Soloは非常に美しいフェイスプレートが印象的な外観と価格以上の満足度をもたらすパッケージが魅力的なイヤホンです。
【中華イヤホン Truthear HOLA レビュー】中域がツルツルのメロウニュートラルサウンド
【中華イヤホン Truthear HOLA レビュー】中域がツルツルのメロウニュートラルサウンド
Truthear HOLAは滑らかな中域中心のニュートラルサウンドを聞かせてくれる優れたインイヤーモニターです。
【完全ワイヤレスイヤホン audio-technica ATH-TWX9 レビュー】オーテクらしい気品のあるサウンド
【完全ワイヤレスイヤホン audio-technica ATH-TWX9 レビュー】オーテクらしい気品のあるサウンド
audio-technica ATH-TWX9はいかにもオーテクらしい、暗く気品のあるシックなサウンドが魅力です。
【中華イヤホン XINHS XINHS-002 レビュー】大人気機種「Tripowin Olina」の兄弟機?
【中華イヤホン XINHS XINHS-002 レビュー】大人気機種「Tripowin Olina」の兄弟機?
XINHS XINHS-002は比較的低価格で買える高解像のインイヤーモニターです。
【中華イヤホン TinHiFi T4 Plus レビュー】1万円台で買える優れたスタジオモニター
【中華イヤホン TinHiFi T4 Plus レビュー】1万円台で買える優れたスタジオモニター
TinHiFi T4 Plusは1万円台で買える優れたスタジオモニターです。
【完全ワイヤレスイヤホン Technics EAH-AZ60 レビュー】サウンドバランスは非常に優秀!Technics渾身のLDAC対応フラッグシップ
【完全ワイヤレスイヤホン Technics EAH-AZ60 レビュー】サウンドバランスは非常に優秀!Technics渾身のLDAC対応フラッグシップ
Technics EAH-AZ60はニュートラルかつ原音忠実性が高い非常に優れたサウンドバランスを実現している完全ワイヤレスイヤホンです。
【中華イヤホン QKZ x HBB Khan レビュー】暗く重厚感のある低域寄りU字サウンド
【中華イヤホン QKZ x HBB Khan レビュー】暗く重厚感のある低域寄りU字サウンド
QKZ x HBB Khanは暗く重厚なU字型のサウンドシグネチャーを持つイヤホンです。
【中華イヤホン KZ DQS レビュー】ディープな低域が楽しめる暗いニュートラルサウンド
【中華イヤホン KZ DQS レビュー】ディープな低域が楽しめる暗いニュートラルサウンド
KZ DQSは低価格で深みのある低域とバランスの取れたニュートラルに近いサウンドシグネチャーを提供する優れたイヤホンです。
【ハイエンドイヤホン Astell & Kern × Campfire Audio Pathfinder レビュー】Campfire Audioファン向けのデコレーションアイテム
【ハイエンドイヤホン Astell & Kern × Campfire Audio Pathfinder レビュー】Campfire Audioファン向けのデコレーションアイテム
Astell & Kern × Campfire Audio PathfinderはCampfire Audio独特のダイナミズムの強調されたサウンドをAstell & Kernスタイルの洗練された美しいデザインとともに楽しめるイヤホンです。
【中華イヤホン TKZK Ouranus レビュー】明るく高解像のきれいな中域を聞かせるイヤホン
【中華イヤホン TKZK Ouranus レビュー】明るく高解像のきれいな中域を聞かせるイヤホン
TKZK Ouranusは低価格でニュートラルかつフラットに近いサウンドシグネチャーを高解像かつ低歪で提供する優れたイヤホンです。
【中華イヤホン CCA LYRA レビュー】低価格で手に入る明るい正統派スタジオモニター
【中華イヤホン CCA LYRA レビュー】低価格で手に入る明るい正統派スタジオモニター
CCA LYRAは低価格でニュートラルかつフラットに近い明るいサウンドシグネチャーを提供する優れたイヤホンです。
【中華イヤホン KZ ZNA レビュー】バランスの良いニュートラル系ハイブリッドイヤホン
【中華イヤホン KZ ZNA レビュー】バランスの良いニュートラル系ハイブリッドイヤホン
KZ ZNAは低価格でバランスの取れたニュートラルに近いサウンドシグネチャーを提供する優れたイヤホンです。
【完全ワイヤレスイヤホン SOUNDPEATS Life レビュー】高級感のあるデザインと高い機能性を持つイヤホン
【完全ワイヤレスイヤホン SOUNDPEATS Life レビュー】高級感のあるデザインと高い機能性を持つイヤホン
SoundPEATS Lifeは低価格で購入できるアプリ対応&ANC搭載の多機能イヤホンです。デザインも優れているので、機能性を重視する人には魅力的な選択肢となりうる可能性があります。
【完全ワイヤレスイヤホン Bang&Olufsen Beoplay EQ レビュー】デジタルミュージック先進国のブランドらしい精細感と分離感を重視したモニターサウンド