免責事項
- このレビューは誠実な品質レビューを読者に伝えるためにLetShuoerから提供されたサンプルに基づいて書かれています。
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LETSHUOER S12の概要
こんな人におすすめ
- スタジオチューニングが好き
- 質感重視
- バランスの良いイヤホンが欲しい
- 解像度重視
- コスパ重視
基本スペック
- 再生周波数:20-20000Hz
- インピーダンス:16Ω
- 感度:102±1dB
- ピンタイプ:0.78mm 2pin
- 価格帯:10000円~20000円


- パッケージ:8.0/10.0
- ビルドクオリティ:8.0/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:9.5/10.0
- 中域:10.5/10.0
- 低域:9.0/10.0
- 歪みの少なさ:8.0/10.0
- コストパフォーマンスボーナス:12.5/10.0
長所
- 原音忠実性が高い
- 正確な質感
- 良好な定位感
- 高い解像度
- 一貫した位相特性
- 制動性に優れる
短所
- 適正音量以上で歪みやすい
- 低域の深さで物足りない
LETSHUOER S12の特徴
- 14.8mm径のカスタムプラナーマグネットドライバーを搭載します。音質が向上し、クリアな音を堪能できます。
- 3.5mmシングルエンドジャック。編組銀メッキ単結晶。
- 0.78mmQualピンコネクター、洗練された再生と低歪み。
- ミニマリストインダストリアルデザイン。アルミ合金シャーシ。複雑なCNC加工し、小型パッケージで滑らかな手触り。
- エレクトロニクス・ポップスなどのジャンルに最適なサウンド。
パッケージ(8.0)

パッケージは価格の標準を満たしています。外箱はシンプルで紙製なので、処分は楽です。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- キャリングケース
- イヤーピースケース
- イヤーピース
- 説明書





ビルドクオリティ(8.0)

ビルドクオリティは価格の標準を満たしています。











装着感(8.5)

装着感はかなり良好です。



音質
HATS測定環境
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
カプラー測定環境
- Type5050 マイクアンプ電源
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- オーディオインターフェース:MOTU M2
アナライザソフト
- TypeDSSF3-L
- Room EQ Wizard
REW周波数特性
Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ)でのREWによる測定値です。測定値はHATSの測定結果と比較校正されていますが、HATSを用いた当サイトの基準としている測定結果とは異なります。測定値は他サイト(主に海外レビューサイト)のレビューとの比較用に掲載しています。
当サイトのレファレンスの測定結果については有料記事を参照してください。
周波数特性(RAW)

周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。

オーディオステータス

※オーディオステータスは周波数特性(自由音場補正済み)から「各要素に関わる周波数帯域の平均値」を算出し、その特性平均値全体の「全体平均値」を求め、「各要素に関わる周波数帯域の平均値」の「全体平均値」からの乖離を数値化したものです。各要素の相対的な強さを表し、独自のオーディオ指標として導入しています。
制動
Shuoer S12はアンプの出力インピーダンスの影響を全くと言っていいほど受けません。
測定値は有料記事をご覧ください。

音質解説
今回は標準イヤーチップ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
LETSHUOER S12はほぼ完璧にニュートラルに近いサウンドバランスを持ち、中域で完璧に近い質感表現を実現、定位感もかなり良好です。位相一貫性もよく、適正音量では歪みも問題にならないはずです。
欠点としては適正音量以上で歪みが出やすく、普段大きめの音で聴く人やクラシック音楽を楽しむ場合に少し問題となる可能性があります。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場補正済み周波数特性に基づく判定値。どれだけフラットスピーカーの音(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実][S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。

低域(9.0)
- 原音忠実度:S
- 臨場感:B+
- 深さ:A-
- 重み:B+
- 太さ:B+
- 存在感:B+

低域はやや浅いものの、総じてよく調整されており、中域や高域とのバランス感覚に優れています。
私にはドラムボディの重みに欠け、少しキックが浅く聞こえてインパクトに欠けますが、リズム感はわかりやすく、軽快に聞こえるため、こういうバランスの方が聞き取りやすいという人もいるでしょう。エレキベースも若干黒みに欠けます。
どちらかというと明るく聞こえるモニター的なサウンドです。
中域(10.5)
- 原音忠実度:S
- 厚み:B
- 明るさ:B
- 硬さ:B+
- 存在感:B

中域はほぼ完全にニュートラルであり、正確な質感表現を実現しています。
やや硬く、ボーカルがわずかにシャウトに傾いて聞こえますが、エネルギッシュです。適正音量以上に上げると、ややシンバルが強くなりやすいのが気になるかもしれません。
透明度も高いですが、歯擦音とピアース感はやや過剰に出やすいところがあります。高域の刺激に敏感な人にはこの点、注意が必要かもしれません。しかし、適正音量であれば、録音次第ではありますが、ほとんどの人にとって概ね問題ないでしょう。
高域(9.5)
- 原音忠実度:B-
- 艶やかさ:B
- 鋭さ:B
- 脆さ:B
- 荒さ:B-
- 繊細さ:C-
- 存在感:C+

高域は十分に拡張されており、繊細で空気感も十分に実現できます。非常に優れた高域ですが、欠点としては適正音量以上では歪みが目立ちやすいという問題があります。
とはいえ、適正音量でポップスを楽しむようなリスナーにはこれがほとんど問題になることはありません。バイオリンの倍音の音像一貫性にこだわるような重度のクラシックファンでもない限り、ときどき「なんかうるさいかな」といったくらいにしか感じないのではないでしょうか。

定位/質感
- 質感の正確性:S+
- 定位の正確性:A-
- オーケストラのテクスチャ:A+
- 雅楽のテクスチャ:S
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco
」(「Dvorak: The 9 Symphonies
」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005
]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽
」(「雅楽~平安のオーケストラ
」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
基本的にフルオーケストラを楽しむイヤホンとしてShuoer S12はかなり理想的なサウンドバランスを持っています。透明度の高い中域、みずみずしく聞こえるハープの音、弦楽の美しい倍音を詳細に聴かせ、生演奏の雰囲気をよく再現します。ただし、すでに述べたように音量を上げると歪みが気になってきます。一般的にフルオーケストラはダイナミックレンジが大きいため、音量を大きめに聴く人が多い可能性があり、わずかな欠点となるかもしれません。
とはいえ、総じて価格帯で最も優れたフルオーケストラ向きイヤホンの1つであると言えるでしょう。
雅楽も篳篥の音がきれいに抜けます。和音も十分に華麗で明るく艶やかに聞こえながら、耳にキンキン痛くなる傾向はほぼありません。優れた調整です。
音場/クリア感/イメージング
- 音場:B+
- クリア感:B+
- イメージング:A-
- 高域:S-
- 中域:A-
- 低域:B-

深さは少し物足りず、中域は比較的前面に聞こえ、高域は価格を考えると、優れた高さがあります。
クリア感は価格を考えるとなかなか優秀です。
イメージング性能は価格を考えると抜群に近いです。
音質総評
- 原音忠実度:A+
- おすすめ度:S+
- 個人的な好み:S+

LETSHUOER S12は優れた位相一貫性、制動特性を持ち、ハイエンド並の音域と解像度を持つ非常に優れたイヤホンです。この価格帯で最も優れたイヤホンの1つとして文句なくお勧めできるだけでなく、全価格帯見てもこれほどのサウンドバランスとオーディオスペックを実現している機種は稀でしょう。
欠点は適正音量より音量を上げると、比較的すぐに歪みが目立ちやすいことですが、適正音量で聴く限り問題になることはないでしょう。
音質的な特徴
美点
- 原音忠実性が高い
- 正確な質感
- 良好な定位感
- 高い解像度
- 一貫した位相特性
- 制動性に優れる
欠点
- 適正音量以上で歪みやすい
- 低域の深さで物足りない

原音忠実性が高い
かなり正確な質感と定位
高い解像度

レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはRME ADI-2 Pro FS R Black Edition + TOPPING A90
を使い、レコーディングにはAntelope Audio Amariを用いています。イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
¥369,600(税込)
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 楽曲名:浮遊大陸アルジェス -Introduction-
- アルバム名:Zwei!!オリジナル・サウンドトラック2008
- Copyright c Nihon Falcom Corporation

- 原曲(-23LUFS)
- LETSHUOER S12
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 楽曲名:Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- アルバム名:英雄伝説 零の軌跡 Evolution オリジナルサウンドトラック
- Copyright c Nihon Falcom Corporation
![イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック [完全版]](https://i0.wp.com/m.media-amazon.com/images/I/81jXRkM29ZL._SS500_.jpg?w=1256&ssl=1)
- 原曲(-23LUFS)
- LETSHUOER S12
Formidable Enemy
- 楽曲名:Formidable Enemy
- アルバム名:英雄伝説 零の軌跡 スーパーアレンジバージョン
- Copyright c Nihon Falcom Corporation
![イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック [完全版]](https://i0.wp.com/m.media-amazon.com/images/I/81OuvTqMT9L._SS500_.jpg?w=1256&ssl=1)
- 原曲(-23LUFS)
- LETSHUOER S12
海外レビューの紹介
総評
LETSHUOER S12はすでに優れたオーディオブランドとして様々なイヤホンを送り出してきた隠れた名門ブランドが、平面駆動型でも卓越した能力を示した金字塔です。驚くべきは彼らがこのイヤホンでまた新しいチューニングの境地に到達していることです。
Moondropのようにほとんど変わらないターゲットカーブの製品を飽きもせずに作り続ける、音の表現の幅ではつまらないブランドとは異なり、LETSHUOERは既存の様々なターゲットカーブを参照しつつ、それをそのまま使用せずに研究し、改良を加えたものをつねに提供してきました。少なくとも音質面でコレクションを楽しむという点ではMoondropのイヤホンを複数本持っててもあまり面白いことはありませんが、LETSHUOERのイヤホンは揃えれば揃えるほど、オーディオマニアにとって豊かで良質なコレクションになるでしょう。
今回LETSHUOERはおそらくSonarworksターゲットを研究し、そこから高域方向を重点的に調整していったのでしょう。率直に言って、理にかなっています。
LETSHUOERが非常に研究熱心で、チューニング技術に優れていることはたとえば、彼らがハーマンターゲットの高域の快適量が不足しているという最近のKnowlesの指摘を待つまでもなく、すでにConductorでハーマンターゲットカーブの高域に独自の修正を加えていた事実にも表れています。これは驚くべき卓見です。世間がハーマンターゲットをもてはやすなか、彼らはハーマンターゲットを妄信せず、Knowlesターゲットに先行して、ほぼ同様の知見に個別に到達していたのです。
Moondropの技術力はたしかに素晴らしいですが、音作りの多様性と革新性において、LETSHUOERのほうが優れているだろうというのが、これまで聴いてきた製品からの私の判断です。LETSHUOERはこれまで様々な素材のドライバーを用い、それらに既存のターゲットカーブを微調整した合理的なチューニングを優秀なオーディオスペックとともに施し続けており、彼らの貪欲さに私はつねに驚かされ続けています。数ある中華イヤホンブランドの中で、最も地力のあるメーカーの一つと言えるでしょう。
私はこのLETSHUOERの新しい境地を紹介することができる喜びに浸りながら、このレビューを終えたいと思います。
![【特集】個人的に気に入っているコスパ最強の中華イヤホンを紹介します[10000円~20000円編] 【特集】個人的に気に入っているコスパ最強の中華イヤホンを紹介します[10000円~20000円編]](https://i0.wp.com/cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/kanbun/20210922/20210922100044.jpg?w=1256&ssl=1)
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