免責事項
- このレビューは「私的な購入品」または「対価を払ってレンタルした商品」に基づいて書かれています。
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TFender TEN 5の概要
こんな人におすすめ
- 深みのある低域が味わいたい
- 色気のあるギターやボーカルを聴きたい
- 艶やかな雰囲気で音楽を楽しみたい
- 高域に敏感
- 大人びた雰囲気のあるロックやJAZZを楽しみたい
基本スペック
- 周波数特性:9Hz~20kHz
- インピーダンス:34Ω
- 感度:111dB/1mW
- ケーブルコネクタ:Talon 2pin
- 価格帯:50000円~100000円


- パッケージ:7.5/10.0
- ビルドクオリティ:8.0/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:7.5/10.0
- 中域:8.5/10.0
- 低域:9.0/10.0
- 歪みの少なさ:7.0/10.0
長所
- バランスが良い
- 原音忠実度が比較的高い
- スウィートでセクスィーな色気のあるサウンド
- 上品で落ち着きがある
- マイルドで刺激の少ない高域
- ダイナミズムに優れる
- 十分に深い低域
短所
- オーディオスペックでTEN 3に劣る
- 構築感で今ひとつ
- 高域の拡張性が足りない
- 歪が多い
Fender TEN 5の特徴
3Dプリント・デジタルハイブリッドテクノロジー
様々な人の耳型のデータを元に開発した独自アルゴリズムにより、カスタムに近いフィッティングを実現
HDD (HIGH DENSITY DYNAMIC)ドライバー
高密度マグネシウム-チタン合金採用ダイアフラム搭載ダイナミック型ドライバー
HDBA (HYBRID DYNAMIC BALANCED ARMATURE) ドライバー
Fender独自設計のハウジングに最適化を施したバランスドアーマチュア型ドライバー
APE (Atmospheric Pressure Equalization) ポート
最適化されたエアフローを生み出し、振動板の動きをよりスムーズにすることで、ワイドなサウンドステージと、ディープでタイトな低音を実現。
Talon™ 2pinコネクター
より強度の高い接続を可能にする独自デザインの2pinコネクター
「Fender AUDIO DESIGN LAB」で設計
テネシー州ナッシュビルの「Fender AUDIO DESIGN LAB」で設計、ハンドメイドで生産されています
パッケージ(7.5)

ONZOのレンタル品のため、パッケージの評価は標準の7.5とします。しかし、頑丈なキャリイングケースやFender Sureseal tipsなど豪華な付属品がついてくるようです。
パッケージ内容
- イヤホン本体
- イヤーピース
- キャリイングポーチ
- 説明書類


ビルドクオリティ(8.0)

外観のビルドクオリティは価格帯の水準を満たしています。





装着感(8.5)

装着感は悪くないですが、筐体がでかいので、耳が小さい人は少しはみ出しやすいですね。



音質
HATS測定環境
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
カプラー測定環境
- Type5050 マイクアンプ電源
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- オーディオインターフェース:MOTU M2
アナライザソフト
- TypeDSSF3-L
- Room EQ Wizard
REW周波数特性
Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ)でのREWによる測定値です。測定値はHATSの測定結果と比較校正されていますが、HATSを用いた当サイトの基準としている測定結果とは異なります。測定値は他サイト(主に海外レビューサイト)のレビューとの比較用に掲載しています。
当サイトのレファレンスの測定結果については有料記事を参照してください。
周波数特性(RAW)

周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。

オーディオステータス

※オーディオステータスは周波数特性(自由音場補正済み)から「各要素に関わる周波数帯域の平均値」を算出し、その特性平均値全体の「全体平均値」を求め、「各要素に関わる周波数帯域の平均値」の「全体平均値」からの乖離を数値化したものです。各要素の相対的な強さを表し、独自のオーディオ指標として導入しています。
制動
Fender TEN 5はアンプの出力インピーダンスの影響をかなり受けるようです。
測定値は有料記事をご覧ください。

音質解説
今回はAET07 Mサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
Fender TEN 5は低域よりの比較的バランスの良いV字型ないしU字型、あるいは変形W字型といったサウンドを持っています。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。



低域(9.0)
- 原音忠実度:S
- 臨場感:B+
- 深さ:A-
- 重み:A-
- 太さ:A-
- 存在感:B+

低域はそれなりに深さに優れており、十分な存在感があります。
エレキベースは十分に黒く、バスドラムキックも重厚感がありますが、個人的にはもっと深くて重い音が好きなので、悪くはないですが、特別感動するというほどでもないですね。十分に直線的でレイヤリングには優れています。
下位機種のTEN 3と同等か、深さではより優れている可能性がありますが、以前レビューしたTEN 3は不良品の可能性が高いため、判断は難しいところです。おそらく同じダイナミックドライバーを使っているでしょうし、同等クラスであることは間違いありません。
中域(8.5)
- 原音忠実度:S-
- 厚み:B+
- 明るさ:B+
- 硬さ:B+
- 存在感:B

中域は比較的ニュートラルに近いです。中域の中心部はわずかに凹んでおり、中域上部が強調されています。
Fenderは中域の色彩感を重視する傾向があり、艶やかなサウンドになっていますが、ギターエッジは少し柔らかで丸く、わずかに濁っており、スネアのアタックは良いですが、キレは少し物足りません。快活さが抑えられた少しシックな雰囲気で聞こえる中域で、フェンダーの渋いハードロックのイメージに合った雰囲気です。
ボーカルは色気が強調されていますが、息の伸びなどはやや抑えめで、子音や歯擦音も柔らかです。高域に敏感な人には快適に聞こえるでしょう。
構造的には下位機種のTEN 3とほとんど変わりませんが、TEN 3のほうが高域の拡張性で優れています。そのため、TEN 5のほうがわずかに中域寄りで聞こえる傾向があるとは思えますが、私が以前レビューしたTEN 3のユニットは万全でなかった可能性が高いので、留保付きです。
高域(7.5)
- 原音忠実度:D
- 艶やかさ:B+
- 鋭さ:B+
- 脆さ:C+
- 荒さ:D-
- 繊細さ:D
- 存在感:C

高域は低域や中域に対してパワーバランスで劣っており、ディテールはすこし曖昧にされています。
刺激が少ない聴き心地が良い高域ですが、高さで物足りません。鮮明感は悪くありませんが、空気感で劣り、今ひとつ繊細さと広がり、伸びやかさに不足を感じやすい音です。
定位/質感
- 質感の正確性:A
- 定位の正確性:B
- オーケストラのテクスチャ:B+
- 雅楽のテクスチャ:B+
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco
」(「Dvorak: The 9 Symphonies
」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005
]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽
」(「雅楽~平安のオーケストラ
」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
十分な重厚感があり、色気とダイナミズムの強調された甘く艶やかなサウンドをきかせますが、中域のみずみずしさと透明度は今ひとつです。また伸びやかさに欠ける傾向もあり、スケール感にも不足を感じます。シックで落ち着きがありながら色気も感じられる音で、個人的にはかなり好みですが、5万円以上も出して聴く価値があるかと言われれば、もっと安い代替品がたくさんあるだろうといった具合です。
雅楽も上品で色気のある甘いサウンドが魅力ですが、やはり価格を考えると、見合ってませんね。
音場/クリア感/イメージング
- 音場:B+
- クリア感:B
- イメージング:B+
- 高域:A+
- 中域:A-
- 低域:B-

音場は深さは標準以上で、中域で奥行きが強調され、高さで物足りません。
クリア感は少し物足りません。
イメージング性能は価格帯の標準以上です。
音質総評
- 原音忠実度:A
- おすすめ度:B
- 個人的な好み:A-

個人的にFender TEN 5の音はかなり好みですが、全体的なオーディオスペックは下位機種のTEN 3のほうがおそらくだいぶ優れているようです。そしてサウンドバランスはほとんど違いがありません。その点で、解像度や歪の少なさ、制動特性で優れているTEN 3のほうが必然的におすすめ度が高くなります。
私の以前レビューしたTEN 3は欠陥品だった可能性が高いので、この記事執筆時点ではTEN 3のおすすめ度はTEN 5より低くしてありますが、実際にはTEN 3のほうが優れていることが予測されます。

音質的な特徴
美点
- バランスが良い
- 原音忠実度が比較的高い
- スウィートでセクスィーな色気のあるサウンド
- 上品で落ち着きがある
- マイルドで刺激の少ない高域
- ダイナミズムに優れる
- 十分に深い低域
欠点
- オーディオスペックでTEN 3に劣る
- 構築感で今ひとつ
- 高域の拡張性が足りない
- 歪が多い

バランスが良い
スウィートでセクスィー
十分に深い低域

レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはRME ADI-2 Pro FS R Black Edition + TOPPING A90
を使い、レコーディングにはAntelope Audio Amariを用いています。イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
¥369,600(税込)
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Brüel & Kjær 1704 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 楽曲名:浮遊大陸アルジェス -Introduction-
- アルバム名:Zwei!!オリジナル・サウンドトラック2008
- Copyright c Nihon Falcom Corporation

- 原曲(-23LUFS)
- Fender TEN 5
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 楽曲名:Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- アルバム名:英雄伝説 零の軌跡 Evolution オリジナルサウンドトラック
- Copyright c Nihon Falcom Corporation
![イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック [完全版]](https://i0.wp.com/m.media-amazon.com/images/I/81jXRkM29ZL._SS500_.jpg?w=1256&ssl=1)
- 原曲(-23LUFS)
- Fender TEN 5
Formidable Enemy
- 楽曲名:Formidable Enemy
- アルバム名:英雄伝説 零の軌跡 スーパーアレンジバージョン
- Copyright c Nihon Falcom Corporation
![イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック [完全版]](https://i0.wp.com/m.media-amazon.com/images/I/81OuvTqMT9L._SS500_.jpg?w=1256&ssl=1)
- 原曲(-23LUFS)
- Fender TEN 5
総評
Fender TEN 5はGRADO SR225Xのようなギターやボーカルに色気のあるサウンドが好きな人にはかなり魅力的な選択肢かもしれません。しかし、おそらくTEN 3のほうが安上がりでよりハイファイ感のある優れたサウンドを提供できるため、TEN 3が手に入る場合はこれを買う意味はたぶんほとんどありません。よりローファイなサウンドが好きなら、別ですが。
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