【中華イヤホン TINHiFi T3 Plus レビュー】完璧な中域による正確無比な質感表現。スピーカーサウンドを完全に再現する前方定位感。高い解像度、超低歪。優れたビルドクオリティ。すべてが価格を超えている

【中華イヤホン TINHiFi T3 Plus レビュー】完璧な中域による正確無比な質感表現。スピーカーサウンドを完全に再現する前方定位感。高い解像度、超低歪。優れたビルドクオリティ。すべてが価格を超えている 5000円~10000円
TinHiFi T3 Plus

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Tin HiFi T3 Plusの概要

こんな人におすすめ

  • 楽器音の質感にこだわる
  • 室内楽や落ち着いた小編成JAZZが好き
  • ボーカルものが好き
  • スピーカーサウンドが好き
  • イヤホンの見た目重視
  • コスパに優れたイヤホンが欲しい

基本スペック

  • 周波数特性:10Hz~20kHz
  • インピーダンス:32Ω
  • 感度:105dB
  • ケーブルコネクタ:0.78mm 2pin
  • 価格帯:5000円~10000円

audio-sound スコア
TinHiFi T3 Plus
TinHiFi T3 Plus

9.5
  • パッケージ:8.5/10.0
  • ビルドクオリティ:8.5/10.0
  • 装着感:8.5/10.0
  • 高域:8.5/10.0
  • 中域:11.0/10.0
  • 低域:9.0/10.0
  • 歪みの少なさ:9.5/10.0
  • コストパフォーマンスボーナス:12.5/10.0

長所と短所

長所

  • 完璧な質感
  • 原音忠実度が高い
  • 刺さりの少ないマイルドな高域
  • 音像一貫性に優れる
  • 前方定位的
  • みずみずしい
  • 良好なビルド

短所

  • ダイナミズムに欠ける
  • 爽快感に欠ける
  • 鮮明感に欠ける
  • 深みに欠ける
  • 高域の拡張性に欠ける

Tin HiFi T3 Plusの特徴

  • LCP振動板を採用した最新の10mmダイナミックドライバー
  • ダブルキャビティ設計
  • 高性能磁気構造を内蔵
  • 肌に優しい樹脂製イヤーシェルと大理石調のフェイスカバー
  • 豊富なアクセサリーセット
  • 人間工学に基づいたデザイン
  • 快適な装着感と軽量化を実現
TinHiFi T3 Plus
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パッケージ(8.5)

TinHiFi T3 Plus
TinHiFi T3 Plus

パッケージは価格の標準を満たしています。

パッケージ内容

  • イヤホン本体
  • キャリイングケース
  • キャリングポーチ
  • イヤーピース(2種類)

ビルドクオリティ(8.5)

TinHiFi T3 Plus
TinHiFi T3 Plus

外観のビルドクオリティは価格帯でも優れている水準です。

TinHiFi T3 Plus
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装着感(8.5)

TinHiFi T3 Plus
TinHiFi T3 Plus

装着感はかなり良好です。

TinHiFi T3 Plus
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TinHiFi T3 Plus

音質

  • SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
  • AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
  • Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
  • マイクプリアンプ:Type4053
  • センサアンプ:小野測器 SR-2200
  • 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
  • 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
  • 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
  • アナライザソフト①:TypeDSSF3-L
  • アナライザソフト②:Room EQ Wizard

REW周波数特性

Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ)でのREWによる測定値です。測定値はHATSの測定結果と比較校正されていますが、HATSを用いた当サイトの基準としている測定結果とは異なります。測定値は他サイト(主に海外レビューサイト)のレビューとの比較用に掲載しています。

当サイトのレファレンスの測定結果については有料記事を参照してください。

周波数特性(RAW)

TinHiFi T3 Plus Frequency Response (RAW)
TinHiFi T3 Plus Frequency Response (RAW)

周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス

測定値は有料記事をご覧ください。

Tripowin × HBB MELE

オーディオステータス

TinHiFi T3 Plusのオーディオステータス
TinHiFi T3 Plusのオーディオステータス
※オーディオステータスは周波数特性(自由音場補正済み)から「各要素に関わる周波数帯域の平均値」を算出し、その特性平均値全体の「全体平均値」を求め、「各要素に関わる周波数帯域の平均値」の「全体平均値」からの乖離を数値化したものです。各要素の相対的な強さを表し、独自のオーディオ指標として導入しています。

制動

TinHiFI T3 Plusは出力インピーダンスの影響はほとんど受けません。

測定値は有料記事をご覧ください。

Tripowin × HBB MELE

音質解説

今回は標準イヤーチップ Lサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。

TinHiFi T3 Plus非常にニュートラルで完璧に近い中域を持ち、質感表現が非常に正確です。音場は前方定位的で音楽はスピーカーで聴くときのように前面に聞こえます。中域の透明度が高く、非常に綺麗に聞こえます。

レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。

  • 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
  • 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
  • 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
  • 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
  • オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
  • クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
  • イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]

これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。

TinHiFi T3 Plus
TinHiFi T3 Plus
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低域(9.0)

  • 原音忠実度:S
  • 臨場感:B
  • 深さ:B+
  • 重み:A-
  • 太さ:B+
  • 存在感:B+

低域

低域は比較的深くまで到達しており、ほとんどニュートラルです。

個人的な好みで言えば、今ひとつ深さで物足りませんが、重低域にこだわりのない多くのオーディオファンには十分な深度を実現していると言えるでしょう。十分に直線的な低域でレイヤリングも良好です。

ドラムキックの重みは個人的にはもう少し欲しく、ベースの深みも足りず、浅く明るい印象を受けます。

中域(11.0)

  • 原音忠実度:S
  • 厚み:B+
  • 明るさ:B+
  • 硬さ:B+
  • 存在感:B

中域

中域はかなり完璧にニュートラルであり、質感表現においてこれ以上のイヤホンを探すのはかなり難しいでしょう。中域のサウンドバランスは完璧です。

しかし、高域の不足によって残念ながら輝度が足りないため、鮮明感に欠けるところがあり、空気感も不足しています。それにより、音楽の全体像はやや曖昧にされており、マイクロディテールがはっきりしない印象を受けるでしょう。

しっかりとした硬さが感じられながらも、なめらかで丸みを帯びたマイルドさのある表現は、とくにピアノを美しく聴かせます。エレキギターもエッジまでしっかりと表現されており、輝度不足でややぼんやり感があるものの、色彩感はかなり正確です。このエレキギターとピアノの素晴らしい表現だけでも聴く価値はあるといえるでしょう。

ボーカルもほとんど完璧ですが、息の抜けはわずかに悪いため、快活さに欠けます。

最近どこかで同じ文言を見たって?私自身こんな最高レベルの中域がこの価格帯で立て続けに見つかるなんて想定してなかったですよ。

高域(8.5)

  • 原音忠実度:B
  • 艶やかさ:B+
  • 鋭さ:B+
  • 脆さ:C
  • 荒さ:D+
  • 繊細さ:C-
  • 存在感:C

高域

T3 Plusの高域は拡張性も悪くなく、ほぼ完全にスピーカーサウンドを再現します。

高域はロールオフしているため、マイクロディテールは少しはっきりしませんが、その代わりに歯擦音やピアースなど刺激的な要素は抑えられています。高域に敏感な人にはこれでちょうど良いでしょう。私にはこの高域は遠いので、EQで持ち上げて使っています。

高域自体の調整も非常によく、ピークディップがほとんどなく、倍音が自然です。TinHiFiは高域に非常に優れた調整を加えています。

定位/質感

  • 質感の正確性:S++
  • 定位の正確性:C
  • オーケストラのテクスチャ:A
  • 雅楽のテクスチャ:A+

定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。

オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。

この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。

質感は非常に優れており、木管は透明度が高く、バイオリンは自然なのびやかさを持っています。残念ながら重厚感と高域の拡張性の両面が足りていないため、音楽は中域中心で聞こえ、音場はスピーカー的です。質感に高いリアリズムを感じるものの、ダイナミズムに欠け、どこか作り物のように聞こえるでしょう。しかしEQで低域と高域の両端を持ち上げるだけでT3 Plusは簡単に素晴らしいフルオーケストラを聴かせるようになります。

雅楽も篳篥が非常に美しく、和音もほぼ完全ですが、やはりスケール感に欠けます。龍笛が天に届いていませんね。

音場/クリア感/イメージング

  • 音場:B
  • クリア感:A+
  • イメージング:A-
    • 高域:S
    • 中域:A-
    • 低域:B-

音場

音場は深さは少し不足しており、高さは標準的です。

クリア感はかなり優秀です。

イメージング性能はかなり優秀で、価格帯では抜群に近いですね。

 

音質総評

  • 原音忠実度:A+
  • おすすめ度:S+
  • 個人的な好み:S+

音質総評

友人のTinHiFi T3 Plusを聞かせてもらったとき、私は驚きを隠せませんでした。「この音は非常に好みだ。たぶん買うかもしれない」と言ったことを覚えています。何度か購入を検討しているうち、幸いにしてこの機種のレビュー依頼が舞い込みました。もちろん即答でOKしました。

レビューユニットが届いてすぐに「あのサウンド」であることを耳で確認し、すぐに測定しました。そして思わず興奮しました。測定値が想定以上だったからです。私は自分の聴覚にこれっぽっちも自信など持っていませんが、お気に入りの機種がいいデータ成績を収めることに喜びを隠すことは出来ません。

非常に正確な質感表現はこの価格帯で得難いだけでなく、全イヤホンを探してもここまで中域を丁寧に作り込んでいるものは稀でしょう。またピークディップの少ない高域も非常に素晴らしく、EQで低域と高域を上げるだけでかなり完璧なモニターイヤホンになります。

音質的な特徴

美点

  • 完璧な質感
  • 原音忠実度が高い
  • 刺さりの少ないマイルドな高域
  • 音像一貫性に優れる
  • 前方定位的
  • みずみずしい

欠点

  • ダイナミズムに欠ける
  • 爽快感に欠ける
  • 鮮明感に欠ける
  • 深みに欠ける
  • 高域の拡張性に欠ける

原音忠実度が高い
完璧な質感
前方定位的

TinHiFi T3 Plus
TinHiFi T3 Plus

レコーディングシグネチャー

レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。

レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。

参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはRME ADI-2 Pro FS R Black Edition + TOPPING A90を使い、レコーディングにはAntelope Audio Amariを用いています。イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。

¥369,600(税込)

  • SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
  • 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
  • マイクプリアンプ:Type4053
  • センサアンプ:小野測器 SR-2200
  • Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
  • オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
  • レコーディングソフト:Audacity

浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)

楽曲情報
  • 楽曲名:浮遊大陸アルジェス -Introduction-
  • アルバム名:Zwei!!オリジナル・サウンドトラック2008
  • Copyright c Nihon Falcom Corporation

Zwei!!オリジナル・サウンドトラック2008
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Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-

楽曲情報
  • 楽曲名:Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
  • アルバム名:英雄伝説 零の軌跡 Evolution オリジナルサウンドトラック
  • Copyright c Nihon Falcom Corporation
イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック [完全版]
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Formidable Enemy

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  • 楽曲名:Formidable Enemy
  • アルバム名:英雄伝説 零の軌跡 スーパーアレンジバージョン
  • Copyright c Nihon Falcom Corporation
イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック [完全版]
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海外レビュー

Tin HiFi T3 Plusの海外での評価については以下の記事で紹介しています。

中華イヤホン Tin HiFi T3 Plusの海外レビューまとめ

人気ブランドTin HiFiの最新作「Tin HiFi T3 Plus」についての海外レビューをまとめて紹介します。

TinHiFi T3 Plus

TinHiFi T3 Plus
TinHiFi T3 Plus

総評

TinHiFi T3 Plus正確な質感表現を愛するオーディオマニアにとって最高のイヤホンの一つです。自然な質感のまま、モニタースピーカーのように音楽の全体を前方定位させ、中域をとくに美しく聴かせます。ボーカルやピアノ、バイオリン、エレキギターがとてもみずみずしく、チャーミングに聞こえるでしょう。この価格帯でまっさきに検討すべきイヤホンであることは間違いありません。

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Tin HiFi T3 Plus

9.5

パッケージ

8.5/10

ビルドクオリティ

8.5/10

装着感

8.5/10

高域

8.5/10

中域

11.0/10

低域

9.0/10

歪みの少なさ

9.5/10

コストパフォーマンスボーナス

12.5/10

長所

  • みずみずしい
  • 完璧な質感
  • 原音忠実度が高い
  • 音像一貫性に優れる
  • 刺さりの少ないマイルドな高域
  • 良好なビルド
  • 前方定位的

短所

  • ダイナミズムに欠ける
  • 爽快感に欠ける
  • 鮮明感に欠ける
  • 深みに欠ける
  • 高域の拡張性に欠ける

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