免責事項
- このレビューはokcscから誠実な品質レビューを読者に伝えるために提供されたサンプルに基づいて書かれています。
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okcsc ED10の概要
こんな人におすすめ
- スピーカーサウンドが好き
- ディテール感重視
- 圧迫感のない音で聴きたい
基本スペック
- 周波数特性:20Hz~20kHz
- インピーダンス:22Ω
- 感度:106dB
- ケーブルコネクタ:0.75mm 2pin
- 価格帯:1000円~3000円


- パッケージ:7.5/10.0
- ビルドクオリティ:8.0/10.0
- 装着感:9.0/10.0
- 高域:8.5/10.0
- 中域:9.5/10.0
- 低域:9.0/10.0
- 歪みの少なさ:8.0/10.0
- コストパフォーマンスボーナス:11.5/10.0
長所
- 比較的優れたイメージング能力
- 比較的自然な質感
- スムーズで聴き心地が良い
- 比較的高い原音忠実性
- 優れたボーカルフォーカス
- 価格の標準以上のクリア感
- 前方定位的
- 艶やかな色づきの良いサウンド
短所
- 音場が狭い
- 没入感に欠ける
- チープなパッケージング
okcsc ED10の特徴
- 【キレの良い低音を再現】10mmのダイナミックドライバーを搭載しており、自然で透明感のあるサウンドを実現。また、ダブルマグネット構造により通常よりも強力な磁力を確保しパワフルな低音再生。
- 【高い装着感を実現する】人間工学に基づき、軽量で耳掛け式のデザインを採用。タッチノイズの低減と装着感を向上し、安定した音質を実現します。
- 【金メッキL型プラグを採用】スマートフォンやポータブルオーディオ機器と接続しやすいL型を採用しました。3.5mmステレオプラグ接続で、iPod、iPhone、iPadや各種スマートフォンなどと互換性があります。
- 【2Pin端子採用着脱式ケーブルを採用】2ピン端子を採用した着脱式ケーブルのため、お好み応じて付属のケーブルと付け替えができます。また、別売のワイヤレスケーブルを付け替えることで、ワイヤレスの自由さとBluetoothの使いやすさを体感いただけます。
パッケージ(7.5)



ビルドクオリティ(8.0)

外観のビルドクオリティは悪くありません。価格を考えると十分でしょう。




装着感(9.0)

耳への収まりは比較的良好です。装着感は良いでしょう。



音質
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- アナライザソフト①:TypeDSSF3-L
- アナライザソフト②:Room EQ Wizard
REW周波数特性
Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ)でのREWによる測定値です。測定値はHATSの測定結果と比較校正されていますが、HATSとプロ用測定アナライザーソフトを用いた当サイトの基準としている測定結果とは異なります。測定値は他サイト(主に海外レビューサイト)のレビューとの比較用に掲載しています。
当サイトのレファレンスの測定結果については有料記事を参照してください。
周波数特性(RAW)

周波数特性/THD特性/ラウドネスステータス
測定値は有料記事をご覧ください。
オーディオステータス

※オーディオステータスは周波数特性(自由音場補正済み)から「各要素に関わる周波数帯域の平均値」を算出し、その特性平均値全体の「全体平均値」を求め、「各要素に関わる周波数帯域の平均値」の「全体平均値」からの乖離を数値化したものです。各要素の相対的な強さを表し、独自のオーディオ指標として導入しています。
制動
okcsc ED10はアンプ側の出力インピーダンスの影響をほとんど受けません。出力インピーダンスは11Ω以下のアンプで駆動することが推奨されますが、それ以上のアンプで鳴らしてもサウンドバランスが違って聞こえることはないでしょう。
測定値は有料記事をご覧ください。
音質解説
今回は標準イヤーチップのLサイズを使い、FiiO M15で駆動してレビューします。
okcsc ED10の音響構造の基本はSonarworksターゲットに近い拡散音場系のV字ドンシャリサウンドになっています。こうしたサウンドの特徴はボーカルが近く、楽器音が左右の耳元から離れて前方定位的に聞こえるところにあります。クロスフィードがあるスピーカーの音のように全体の音像は矮小化されるので、音場は少し狭くなりますが、ボーカル音像は相対的に大きく聞こえるのが魅力ですね。
普段2chスピーカーを使っている人がイヤホンやヘッドホンで音楽を聴くと、頭内定位にとまどうだけでなく、音場が横に広がって聞こえる感覚に不自然さを感じることがありますが、このイヤホンであれば違和感をほとんど感じないでしょう。逆に言えば、普段イヤホンやヘッドホンをメインで音楽を聞いている人には音場の広がり、包まれ感などの点で物足りないところがあるかもしれません。音がダマになって聞こえる、音離れの悪い音に感じることもあるでしょう。
実用的な面では全体の原音忠実度が高いため、Sonarworksターゲットと同じように、スピーカー音像の実際に近い定位感のイメージングで中域や全体像を把握できるモニターイヤホンとして便利に使うことができます。人によっては中低域の少しの膨らみがイメージングに影響し、若干気になる可能性がありますが、価格を考えると気軽に使い潰せるのでいいですね。
なお、一般的に2chスピーカーよりイヤホンやヘッドホンの音場のほうがどうして広くなるのかについては以下のRMEの記事で端的に説明されています。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。

低域(9.0)
- 原音忠実度:S
- 臨場感:B+
- 深さ:A-
- 重み:A-
- 太さ:B+
- 存在感:B+

ED10の低域はこの価格帯ではなかなか良好と言えます。わずかに膨らむ感じはありますが、雰囲気は概ねモニター的で録音忠実性が高く、自然に聞こえるという人が多いでしょう。
私の好みからすると浅い低域で、キックのインパクトも少しマイルドに思えるくらいですが、リズム感は明確です。ベースラインとキックとの描き分けも自然よりはぼんやりしていますが、これくらいのほうが中域の存在感を邪魔しなくて良いという人も多そうでしょう。
わりと明るい低域なので見通し感も悪くありません。
ただし質的にも量的にもベースヘッド向きとは言い難いですね。
中域(9.0)
- 原音忠実度:S-
- 厚み:B+
- 明るさ:B
- 硬さ:B+
- 存在感:B

中域は前進的で明るく、一般にボーカルは最前列にいます。
中域はニュートラルに近いので、楽器音やボーカルの質感はかなり自然に近いですね。やや明度が高く、明るく聞こえ、色づきもよく、艶やかで透明度が高く思えるかもしれませんが、ボディは少し薄いので、ピアノ音など、中域のみずみずしさは私には少し足りないですね。
ボーカルホンとしては優秀で、歯擦音や刺さり感なく、母音や子音がはっきり聞こえます。やわらかな、少しゴムのような弾力感の感じられる優しい声ですが、少し上気して媚びて聞こえるところがあり、魅力的です。女性ボーカルものはボーカル音像が大きく聞こえる上に、甘く朗らかな雰囲気なので、かなりおすすめできますね。ただ、中域の中心点が暗めではあるため、少しドライな質感になるので、鼻にかかった感じに掠れてハスキー気味に聞こえるところがあります。
高域(8.5)
- 原音忠実度:C-
- 艶やかさ:B+
- 鋭さ:B+
- 脆さ:C+
- 荒さ:D
- 繊細さ:D+
- 存在感:C+

高域は高さが足りず、音場が閉塞する原因になっていますが、滑らかで聴き心地は非常に良いですね。現実世界に近い減衰感があります。
エッジ感やクランチ感に優れているので、構築感は高く、鮮明度もわりと高めです。輝度が低く、少し暗めの高域にも関わらず、自然な倍音のつながりがあり、抜けも案外に悪くなく、不自然に思うところはほとんどありません。
定位/質感
- 質感の正確性:S-
- 定位の正確性:C
- オーケストラのテクスチャ:A
- 雅楽のテクスチャ:S-
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco
」(「Dvorak: The 9 Symphonies
」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005
]
- 雅楽:宮内庁楽部「越天楽
」(「雅楽~平安のオーケストラ
」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
私には横幅が狭すぎてスケール感に欠けるのですが、普段スピーカーでオーケストラを聴いている人には、むしろこれくらいの音場がちょうどいいくらいかもしれませんね。楽器音の質感は非常に自然です。
中低域に十分な量があり、質感も自然で和音が鮮やかです。しかも耳にキンキン来ません。聴き心地も安定しており、雅楽の場合は音場の狭さも個人的にはそれほど気になりません。
グルーヴ/音場/クリア感
- 音場:B-
- クリア感:B+

音場は幅が狭く、奥行きがあって前方定位的です。
クリア感は価格を考えると優秀です。
音質総評
- 原音忠実度:A+
- おすすめ度:A+
- 個人的な好み:B+

全体の原音忠実性が高く、楽器の質感がかなり自然で、定位感がスピーカーリスニングに近いので、廉価なモニターイヤホンとして使いやすい製品です。スピーカーを現実空間で聴く雰囲気に近い自然な前方定位のあるアンビエンス感があるため、イヤホンの入門機としても悪くないでしょう。
がちがちのオーディオマニアにはとくに音場の広さで窮屈で、音像の展開力に劣る点がネックになるでしょう。音数が多い曲は混濁感を感じるかもしれませんね。
値段を考えると、わりとよくできているイヤホンです。
音質的な特徴
美点
- 比較的優れたイメージング能力
- 比較的自然な質感
- スムーズで聴き心地が良い
- 比較的高い原音忠実性
- 優れたボーカルフォーカス
- 価格の標準以上のクリア感
- 艶やかな色づきの良いサウンド
- 前方定位的
欠点
- 音場が狭い
- 没入感に欠ける
- 分離感が悪い

前方定位感がある
高い原音忠実性
スムーズサウンド
レコーディングシグネチャー
レコーディングシグネチャーの基本的な原理、楽しみ方については以下を参考にして下さい。
レコーディングシグネチャーで使用している楽曲は私も大好きなゲームメーカー日本ファルコム様のものを使用させて頂いております。
参考用にレコーディングシグネチャーを掲載します。レコーディングシグネチャーのソースはAntelope Audio Amariを用いています。出力インピーダンスは-0.3Ωで、イヤーピースは標準イヤーピース Sサイズを使用しています。
- SAMREC HATS Type2500RSシステム:HEAD & TORSO、Type4172マイクX2搭載
- 5055Prot 実時間2ch 自由音場補正フィルター(特注)
- マイクプリアンプ:Type4053
- Type5050 マイクアンプ電源
- Bluetoothトランスミッター:FiiO BTA30
- オーディオインターフェース:Antelope Audio Amari
- レコーディングソフト:Audacity
浮遊大陸アルジェス -Introduction-(OST系)
- 楽曲名:浮遊大陸アルジェス -Introduction-
- アルバム名:Zwei!!オリジナル・サウンドトラック2008
- Copyright c Nihon Falcom Corporation


- 原曲(-23LUFS)
- okcsc ED10
Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- 楽曲名:Get Over The Barrier! -EVOLUTION!!-
- アルバム名:英雄伝説 零の軌跡 Evolution オリジナルサウンドトラック
- Copyright c Nihon Falcom Corporation
![イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック [完全版]](https://i0.wp.com/m.media-amazon.com/images/I/81jXRkM29ZL._SS500_.jpg?w=1256&ssl=1)
![イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック [完全版]](https://i0.wp.com/m.media-amazon.com/images/I/81jXRkM29ZL._SS500_.jpg?w=1256&ssl=1)
- 原曲(-23LUFS)
- okcsc ED10
Formidable Enemy
- 楽曲名:Formidable Enemy
- アルバム名:英雄伝説 零の軌跡 スーパーアレンジバージョン
- Copyright c Nihon Falcom Corporation
![イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック [完全版]](https://i0.wp.com/m.media-amazon.com/images/I/81OuvTqMT9L._SS500_.jpg?w=1256&ssl=1)
![イースVIII -Lacrimosa of DANA- オリジナルサウンドトラック [完全版]](https://i0.wp.com/m.media-amazon.com/images/I/81OuvTqMT9L._SS500_.jpg?w=1256&ssl=1)
- 原曲(-23LUFS)
- okcsc ED10
余談:TRN MT1とおそらく同じ機種
余談として、普段お世話になっている安耳(@eplv5632)さんからTRN MT1
総評
okcsc ED10は廉価で買える、比較的バランスの良い1DD IEMです。そのサウンドは音像定位は矮小化されるものの、質感は自然なまま、前方定位的で2chスピーカーに近い感覚で音楽を聞かせてくれるため、モニタースピーカーの代用品として使うことができます。またボーカルフォーカスが良いのでボーカリストやボーカル中心で音楽を楽しみたい人向きです。全体的なオーディオスペックは価格を考えると優秀と言えるため、価格帯では素直におすすめできます。
![【特集】個人的に気に入っているコスパ最強の中華イヤホンを紹介します[10000円~20000円編] 【特集】個人的に気に入っているコスパ最強の中華イヤホンを紹介します[10000円~20000円編]](https://i0.wp.com/cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/kanbun/20210922/20210922100044.jpg?w=1256&ssl=1)
![【特集】個人的に気に入っているコスパ最強の中華イヤホンを紹介します[10000円~20000円編] 【特集】個人的に気に入っているコスパ最強の中華イヤホンを紹介します[10000円~20000円編]](https://i0.wp.com/cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/kanbun/20210922/20210922100044.jpg?w=1256&ssl=1)
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