免責事項
- このレビューは誠実な品質レビューを読者に伝えるためにShokzから提供されたサンプルに基づいて書かれています。
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Shokz OpenRun Proの概要
こんな人におすすめ
- 装着感重視
- 包まれ感重視
- 環境音と共存した音楽体験を重視
- スポーツ向きのオーディオ機器を求めている
- 骨伝導の音が好き
- 低域重視
- 滑らかでメロウなサウンドが好き
- ボーカル重視
基本スペック
- 連続再生時間:10h
- 防水性能:IP55
- 対応コーデック:SBC
- 技適番号:005-102773
- 価格帯:10000円~20000円


- パッケージ:8.5/10.0
- ビルドクオリティ:8.5/10.0
- 装着感:8.5/10.0
- 高域:8.0/10.0
- 中域:8.0/10.0
- 低域:8.0/10.0
- 歪みの少なさ:7.5/10.0
- 通信品質:8.5/10.0
長所
- Shokz製品で最も優れた骨伝導音の低域拡張性
- 滑らかで自然なつながりを実現したサウンド
- 明るく聞こえる中域
- ボーカルモードで中高域はより明瞭になる
短所
- 人によって不足する音圧感
- 装着感の影響が多い
- 高域の拡張性の不足
- 鮮明感で物足りない
Shokz OpenRun Proの特徴

低音の強化、10時間のバッテリー持続時間、急速充電機能の搭載により、オープンイヤーのリスニングのすべてを再定義します。
また、新しいフラッグシップであるOpenRun Proには、特許取得済みの第9世代骨伝導技術(Shokz TurboPitch™テクノロジー)を採用しています。
Be Open 限界のその先へ。
強化された低音再生。より長い駆動時間。深みのある低音再生とオープンイヤーリスニング体験でスポーツを盛り上げよう。
快適なオープンイヤー
独自の骨伝導技術と、耳の穴をまったく塞ぐことのないオープンイヤーデザインを採用したOpenRun Proは、集中的なワークアウトでも1日中快適に過ごすことができます。
セキュアフィット
ネックバンド型のチタンフレームは、ワークアウト、ランニング、陸上競技などのあらゆる場面で、安定した装着感を実現します。もうイヤホンを落とす心配はありません。
IP55防塵・防水
埃や湿気を寄せ付けないIP55を誇るOpenRun Proであれば、雨の日のランニングや汗まみれのライドなど、過酷な環境にも耐えられる強い耐久性を備えています。
急速充電
OpenRun Proには急速充電機能が搭載されています。ちょっとした空き時間に、音楽とともに走りたくなりましたか?5分間の急速充電で最大1.5時間の音楽再生が可能になります。
DSPノイズキャンセリング・マイク
どんなトレーニング中であっても、通話ができます。 OpenRun Proには、デュアルノイズキャンセリング・マイクが搭載されており、双方ともに非常にクリアな通話が実現できます。




パッケージ(8.5)


Shokz OpenRun Proのパッケージは価格の標準を満たしています。
パッケージ内容
- OpenRun Pro本体
- 専用充電ケーブル
- キャリイング用ハードケース
- マニュアルや保証書類




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ビルドクオリティ(8.5)


Shokz OpenRun Proのビルドクオリティは価格の標準を満たしています。




装着感(8.5)


装着感は良好です。






接続品質
SBCでCayin N6II/E02と接続してテストしました。価格帯では優秀な接続品質です。
人混みに行ってないのでわかりませんが、家庭内では安定しています。距離耐性は優秀で、5mくらい離れてもシームレスでそのままつながっています。遮蔽物を挟むと一瞬音が途切れますが、すぐに安定し、その後は一貫して音楽を聴くことが出来ました。
バックグラウンドノイズは少しあるかもしれませんが、ほとんど気になりません。
インターフェース/操作方法
操作インターフェースは物理ボタン式です。
ユーザーマニュアルはこちらから閲覧できます。
アプリ
Shokzアプリに対応しています。
Shokzアプリで可能なこと
- 音質のカスタマイズ(2種類から選択)
- 言語設定
- ファームウェアアップデート
- マルチポイントの有効化/無効化
- ユーザーマニュアルの確認
音質
HATS測定環境
- SAMURA HATS Type3500RHRシステム:HEAD & TORSO、左右S-Typeイヤーモデル(Type4565/4566:IEC60268-7準拠)
- AWA社製Type6162 711イヤーシミュレータ(HATS内蔵)
- マイクプリアンプ:Type4053
- 小野測器 SR-2210 センサアンプ
- 出力オーディオインターフェース①:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
- 出力オーディオインターフェース②:Antelope Audio Amari
- 入力オーディオインターフェース:RME ADI-2 Pro FS R Black Edition
カプラー測定環境
- Type5050 マイクアンプ電源
- Type E610A 711イヤーシミュレータ(カプラータイプ・IEC60318-4準拠)
- オーディオインターフェース:MOTU M2
アナライザソフト
- TypeDSSF3-L
- Room EQ Wizard
音質解説
今回はFiiO M15とSBCでつないでスタンダードモードでレビューします。
今回のレビューはShokzラボと測定値や意見を交換し、より適切にShokz OpenRun Proの特徴を読者に伝達できるよう技術的アドバイスを受けて作成されました。この過程で得られた測定値はShokzラボの特許に関わるものであり、公表することは出来ませんが、得られた知見についてこの記事で解説します。
さて、Shokzラボの技術的助言を受けながら、空気伝導音と骨伝導音の両面で前世代のShokz AeropexとShokz OpenRun Proを比較しました。具体的に明確になったのはOpenRun Proの以下の特徴です。
- 骨伝導音においてShokz OpenRun ProはShokz Aeropexより低域の深度で優れている。
- 骨伝導音と空気伝導音の両方でOpenRun ProはAeropexよりピークディップの少ない自然な音を実現している。
- OpenRun Proは中域以上でAeropexより歪が少なく、クリアなサウンドを実現している
既述のように、私自身の測定値を示すことは出来ませんが、空気伝導音に関してはRTINGS.comが測定データを公表しており、私の測定値ともほぼ一致するので参考になると思われます。
- OpenRun Proの記事:https://www.rtings.com/headphones/reviews/shokz/openrun-pro-bone-conduction
- Aeropexの記事:https://www.rtings.com/headphones/reviews/aftershokz/aeropex-bone-conduction
また3.についてはこちらの記事を参考にしてください。
骨伝導イヤホンにおいては空気伝導音と骨伝導音の双方が装着感によって大きく影響を受けます。したがって、実際のサウンドバランスも装着感によって影響を受けますが、適切な装着感である場合、OpenRun ProとAeropexは上に示した3つの相違点を持っているということを確認しました。
なおイコライザーでボーカルモードにすると中高域がはっきりする傾向が確認されました。
※以下のレビューの評価項目は空気伝導音と一部の骨伝導音による測定に基づく評価であり、実際には低域を中心に骨伝導音の再現性が適切ではありません。主に空気伝導音を中心とした評価値となります。
レビューの各評価点の判断基準は以下の通りです。
- 原音忠実度:自由音場フラットに基づく判定値。どれだけ自由音場フラット(≒録音音源の再現度)に忠実かを表します。音域ごとに標準偏差から自動で算出、判定されています(低域:20Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~20kHz;全体:63Hz~13kHz)[S+が最も原音忠実]
- 臨場感/深さ/重み/太さ/厚み/明るさ/硬さ/艶やかさ/鋭さ/脆さ/荒さ/繊細さ/存在感:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、各要素が聴感上ニュートラルからどれだけ強調されて聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[Bが最もニュートラルに近く、S+が最も強調度が高く、D-が最も強調が弱い]
- 質感の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、200Hz~2.5kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- 定位の正確性:自由音場補正値に80phon時の等ラウドネス曲線逆補正をかけた聴感周波数に基づく判定値。一般的に適正音量時、1.5kHz~8kHzがどれだけ聴感上ニュートラルに聞こえるかの期待度を表します。自動算出、判定されています。[S+が最もニュートラルに近い]
- オーケストラのテクスチャ/雅楽のテクスチャ:それぞれのリファレンス音源を用い、各リファレンスイヤホンからの音質差を聴感テストしています。なお、リファレンスイヤホンは参考用であり、S+ほどリファレンスイヤホンに近いというわけではありません。[S+が最も評価が高い]
- クリア感:THD測定値に基づいて決定されています。[S+が最も評価が高い]
- イメージング:C80測定値に基づいて決定されています。(低域:50Hz~200Hz;中域:200Hz~2.5kHz;高域:2.5kHz~10kHz;全体:50Hz~10kHz)[S+が最も評価が高い]
これらの評価値は最終的なスコア算出に影響を与えますが、すべてではありません。


低域(8.0)
- 原音忠実度:D
- 臨場感:D-
- 深さ:D
- 重み:D
- 太さ:B
- 存在感:D-


空気伝導音では低域は殆ど出ていませんが、骨伝導音によって低域は補われています。
Shokzとのやり取りの中で焦点の一つとなったのは低域です。私は聴感でAeropexとOpenRun Proを聴き比べたときに、Aeropexのほうが低域の存在感が強いと考えていることを伝えました。Shokzは骨伝導音が実際にAeropexより深さで優れていることに自信を持っていることを返答し、具体的に測定方法を指定し、より純粋に骨伝導音を測定する方法を示してくれました。
それにより、私もShokz OpenRun Proの骨伝導音が低域の深度でAeropexより優れていることを測定値で確認しました。
重要なのは深い低域は骨伝導音での伝達が主であり、空気伝導音が多い場合はおそらく一般的にはAeropexのほうが低域の存在感が強いために、Aeropexに比べると低域の量で物足りないと感じる可能性があるということです。
Aeropexのサウンドが全体的にOpenRun Proよりドンシャリの形をしており、低域が強調されがちなのもありますが、装着感をよく調整すると、Aeropexより黒く、深い低域を味わうことが出来ます。
中域(8.0)
- 原音忠実度:S
- 厚み:S-
- 明るさ:S
- 硬さ:S
- 存在感:B


中域は十分明るい位置で聞こえますが、高域の鮮明感はややもの足りず、全体的にややぼんやりして感じられやすいところがあります。
滑らかで耳当たりは良いですが、抜けが悪く、スタンダードモードでもボーカルは少しシャウト感を感じるかもしれません。子音はマイルドで角が柔らかく聞こえるので、そういう点では耳に優しいですが、少しHonkyな質感でギャンギャンして聞こえやすい音です。ボーカルモードにするとボーカルがより前進し、エレキギターも明るく聞こえるようになりますが、シャウト感が強くなり、ややうるさい感じに聞こえやすいかもしれません。4kHzを3dBを目安に、8kHzを6dB以上大胆にイコライザーで上昇させることで、自然な音に近づくはずです。
高域(8.0)
- 原音忠実度:D
- 艶やかさ:S-
- 鋭さ:S-
- 脆さ:A-
- 荒さ:C
- 繊細さ:B-
- 存在感:C


Shokz OpenRun Proの高域は中域に対して少し大人しいため、輝度が足りず、鮮明感で物足りません。また、空気感はかなり不足しています。
マイルドな高域なため、歯擦音やサ行の刺さりは気になりませんが、輝度が足りないので音楽全体の鮮明感に欠け、定位感もわかりづらい印象を受けるでしょう。すでに述べたように、これは高域をイコライザーで調整することによって改善可能です。
定位/質感
- 質感の正確性:B+
- 定位の正確性:D+
- オーケストラのテクスチャ:C-
- 雅楽のテクスチャ:C-
定位と質感は以下の音源によって聴感テストされています。また質感についてはそれぞれリファレンスとするイヤホンは以下の通りです。
- オーケストラ:Berliner Philharmoniker and Rafael Kubelik「Dvorak: Symphony No. 9 in E Minor, Op. 95, B. 178, “From the New World” – IV. Allegro con fuoco
」(「Dvorak: The 9 Symphonies 」)[リファレンスイヤホン:AKG N5005 ] - 雅楽:宮内庁楽部「越天楽
」(「雅楽~平安のオーケストラ 」)[リファレンスイヤホン:final A3000]
オーケストラではコンサートマスターと指揮者の位置関係、チェロとバイオリンのバランスを重視しています。雅楽では篳篥の音が最も力強く聞こえること、とくに「塩梅」がきれいに聞こえることを重視しています。
この項目は各言語音の音域に対応し、西洋音楽(および洋楽)が好きな人はオーケストラのテクスチャを、日本の伝統音楽(および邦楽)が好きな人は雅楽のテクスチャを重視すると満足度が高いでしょう。
まずOpenRun Proでフルオーケストラを堪能するには音圧感が足りないと感じる人は多いかもしれません。また鮮明感が不足しすぎており、定位感とスケール感でも物足りません。
雅楽は篳篥の音がのびやかさで足りず、安っぽく聞こえるのが難点ですね。ボーカルモードにすると艶やかさが増しますが、今度は金属的なうるささが出てしまいます。
音場/クリア感/イメージング
- 音場:B-
- クリア感:B
- イメージング:C
- 高域:C+
- 中域:B
- 低域:D-


音場は深さでやや劣り、奥行きが少し強調され、伸びやかさで物足りません。横長に聞こえやすいですね。
クリア感やイメージング性能については骨伝導を考慮していない点に注意してください。一般的なイヤホンよりはクリア感や解像度で劣るのは事実でしょう。
音質総評
- 原音忠実度:C-
- おすすめ度:A
- 個人的な好み:B+


現状の骨伝導イヤホンの中で、OpenRun Proがサウンド面で最も優れているということはおそらく事実です。しかし、Aeropexのほうがドンシャリ傾向の音をしており、ピークも強くて高域もはっきり聞こえる傾向があることは事実なので、聴き比べるとAeropexのほうが良いという人もいるかも知れません。Aeropexはよりドライで繊細方向の音で鮮明感にも優れており、滑らかで耳当たりの良いOpenRun Proとはサウンドキャラクターが異なるため、Aeropexが好きな人にはOpenRun Proはちょっと物足りないかもしれませんね。
音質的な特徴
美点
- Shokz製品で最も優れた骨伝導音の低域拡張性
- 滑らかで自然なつながりを実現したサウンド
- 明るく聞こえる中域
- ボーカルモードで中高域はより明瞭になる
欠点
- 人によって不足する音圧感
- 装着感の影響が多い
- 高域の拡張性の不足
- 鮮明感で物足りない


優れた骨伝導音の低域拡張性
滑らかで自然なつながりのサウンド
明るく聞こえる中域


総評
Shokz OpenRun Proは現状のヘッドバンドタイプの骨伝導ではおそらく最も優れた低域深度を持ち、骨伝導の欠点であった滑らかさに欠けるサウンド表現を克服した革新的な機種です。高域の鮮明感で前世代のAeropexのほうが優れていますが、そのほかの多くの点でAeropexより優れています。マルチポイントに対応しているのも美点です。アプリでできることは少ないですが、専用アプリによってファームウェアアップデートなどが行えるのも良いでしょう。
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